2012年12月9日日曜日

転職の話 - 其の二、LinkedIn編

前回の投稿ではヘッドハンターとの付き合いと職務履歴書のメリットについて書いた。今回はビジネスSNSとして日本でも徐々に広がっているLinkedInについて。先に結論から書いておくと私の転職はLinkedInで先方のリクルーターからコンタクトを受け面談、オファーを受ける事となった。

これだけだと転職にはLinkedInが最適と言う印象を与えかねないが、それは結果であって、ポイントはそこでは無い。

LinkedInについては昨年の6月にも簡単に書いた。ずっと前からやっていた気になっていたが1年半程度の話だった。しかもこれは本格的に始める前の事。この過去の投稿後、自身のレジュメをきちんとさせたのは転職活動の事が念頭にあったからだが、使い勝手の良さは海外のビジネスネットワークをきちんと充実させる事が出来たからだった。欧米の取引先は定期的に転職するので名刺は大して役に立たない。それよりもこのようなSNSで繋がっておく方が圧倒的に便利なのである。Facebookを通じて個人的な投稿を共有する程、親しくも無いが、繋がりは維持しておきたい。そんな相手とはLinkedInが便利である。

プロフィールは自由に書ける。私は英語で職務履歴を簡単にまとめ、それ以外にも通常の職務履歴に書かないような活動内容(英訳本の存在、NYでの道場/非営利団体の運営経験など)も記載した。前回も書いたが、職務履歴書は自分のこれまでのキャリアを客観的にまとめるのに最適である。もう一つお勧めなのがリコメンデーション、推薦文である。日本ではあまり使われないかもしれないが、アメリカでは一般的。社内の人間や取引先に書いてもらう事で職務履歴書の内容に第三者の裏付けが得られる訳である。LinkedInだと正式なレター形式である必要は無く、公開、非公開を自由に設定出来るので便利。私の場合、全て英語だが、自分から頼んでNY時代の上司の他、アメリカの取引先にも書いてもらった。

もちろんヘッドハンターからのコンタクトもある。それは適当にこなせば良い。面白い案件なら話せば良いし、関心が無ければ断るだけの事。私の場合、業界的に高確率で案内してくる案件があったので、活動後半はコンタクトしてきたヘッドハンターに、「XXXやYYYの案件であれば結構です」、と牽制球を投げる事が習慣となっていた。その他には全く転職と関係無いビジネスの話でコンタクトもある。業界間のコンサルテーションと言う事で話を受け、バイト代わりに一度やってみた事もある。

もう一つ大きな役割が相手方の企業と担当者を調べるのに便利と言う事。例えば次の面談の担当者の名前が分かればGoogle、Facebook、LinkedInで検索する。就職サイトで個人SNSでの投稿内容が原因でクビになったり内定取り消しになった人間の話が定期的に紹介されるが調べるのは企業側の特権では無い。顔を合わせての面談でも役に立つが、Skypeやその他の電話面談など(先方が海外だとこれが多い)、頼りとなるのが相手の声だけの場合、ネットで顔やその人間の業界関係の動きを把握しておくと気持ちのゆとりはずいぶんと違う。

まとめるとLinkedInのメリットは次の通り。

1. ビジネスネットワークの整理
2. 自身の公(ビジネス面)のプロフィールを整理して公開出来る、リコメンデーションも利用可能
3. 情報収集。取引先の企業はもちろん、担当者についても情報が掲載されている可能性がある。

長くなってきたので今回はここまで。時間があればヘッドハンターを使う場合と直接、企業とやり取りをする際の違いなどについても述べるつもりだ。

2012年12月6日木曜日

転職の話 - 其の一、ヘッドハンター編

2012年11月末をもって15年勤めた日系の会社を退職、12月より新しく外資系の会社で働く事となった。今の世の中、転職がどの程度一般的なのか分からないが、備忘録を兼ねてここに記す。最初はヘッドハンターについて。

私が初めて転職の事を考えたのは2008年、10年のNY滞在を経て青天の霹靂で帰任を命じられた時だった。会社のロジックはしっかりしていたが生活が充実しており、色々と納得がいかなかったと言うのが理由。知り合いの人材派遣会社に相談し、英語のレジュメを作製、活動をしたが実らなかった。労働ビザで働いてたのが大きいのではと思う。

前職の場合、元々、海外畑で働いた人間の転職率は高いのだが、帰国後、次のきっかけとなったのはロンドン事務所で働いていた少し年上の元同僚が大手外資に転職した事だった。2011年始めの事である。個人的には10年の海外勤務を終えて帰任する事はそれ自体、異国の地に転職する事と似た感覚だったが、幸い居心地も悪くなく、仕事も面白かったのですぐに転職を考える事も無く数年が経っていた。その頃、直属の上司もヘッドハンターからコンタクトを受けており、自分の中で彼等に出来る事なら自分にも出来るのではと思った事も大きい。

私の転職活動は時間で言うと約1年半。長い方だと思う。何でも良いから転職と言うスタンスではなかったので活動が賑やかな時期もあれば何も無い時期もあった。主な活動方法は転職サイトへのレジュメ登録。無料サイトでは[en]転職コンサルタント 、有料サイトではビズリーチなどを使った。会ったヘッドハンターの数は10以上、20未満と言った所。全て先方からのアポ依頼による。親身になって色々と相談、案件を紹介してくれた所もあれば、先方からのアポ依頼で会ったにも関わらず15分程度で面談終了と言うケースもあった。ヘッドハンターからすれば候補者判断は商品価値判断なのでその感覚は分からなくもない。企業の求人案件をチェックし、適切な人材を探して紹介するのは大変な仕事だろう。会ったエグゼキュティブサーチ企業規模はワンマンレベルから大企業まで様々だが、多才なスキルを要求されるなかなか厳しいビジネスであろうと言う事はよく分かった。初めての時はヘッドハンターからコンタクトがあるだけで選ばれたかのようなドキドキ感があるかもしれないが、突き詰めれば、自分と言う商品を生で見て値踏みをしたい営業職の人間がコンタクトしてくるだけと達観すれば変な期待を抱かなくても済む。それは相手の会社で会おうが、ホテルのバーで会おうが同じ事。

私の場合はレジュメは日本語と英語の両方で用意した。レジュメをまとめる事とヘッドハンターと会う事のメリットは思いつく範囲だと次だろうか。

1. 自分のキャリアを客観的に捉える事が出来る
2. 自分の市場価値について客観的な意見を得る事が出来る
3. 商品としての自分をどうプレゼンすれば良いのか研鑽する事が出来る
4. 自分の強み、弱みを把握、その上で自分が何がしたいのか、転職するに当たって優先順位は何なのかを自覚出来る

後は気に入る案件があれば応募するのみ、そして面談である。私の場合は最初にコンタクトのあったヘッドハンターがレジュメの修正箇所の指摘の他、面談前の模擬までやってくれたのが大きかった。その時の大手外資案件は最終面談まで行ったものの実らなかったが、その約1年後に再びコンタクトされ受けた企業ではオファーをもらう事が出来た。私の転職先はそこでは無いが、オファーの段階まで進むとヘッドハンターのアドバイスも退職に当たっての身の振り方にまで及び非常に勉強になる。

言うまでも無く、結構な数の企業で落ちた。書類選考はほとんどパス、1次、2次で落ちたのが多い。最終面談まで行った企業も数社。落ちた理由については詳細を教えてくれるヘッドハンターもいれば、曖昧なヘッドハンターもいる。落ちた事についてこちらから問い合わせて初めて連絡してくる所もあったが、これは例外的に対応が悪いのだろうと思いたい。いずれにせよ見送りになると気落ちするが(特に最終面談まで行ったりすると)、自分のスキルが先方の求めている役職に合わなかっただけの話で人格が否定されている訳では無い、don't take it personal。

そんな訳でまとめると、

1. レジュメ(職務履歴書)は転職意思の有無に関わらずまとめておくのが吉
2. ヘッドハンターとのアポは気張らず、人生経験の一環としてこなすのが吉

次回はビジネスSNS、LinkedInについて。


2012年12月4日火曜日

007 Skyfall

ジェームズ・ボンドの映画、初めて観たのはテレビ放送のショーン・コネリーの「ゴールドフィンガー」だったろうか。映画館で初めて観たのは中学生時代、ロジャー・ムーアの「美しき獲物たち」だった。それ以来、ティモシー・ダルトン、ピアーズ・ブロスナン、ダニエル・クレイグと007を演じる役者は変われど映画館で観てきた。それぞれの作品がその当時の自分の記憶と重なっていて面白い。

そして50周年記念の作品「スカイフォール」。その昔、父親が学生時代に「ロシアより愛をこめて」を映画館で観た話を聞いた時はピンと来なかったが、自分にも子供が出来るといずれは子供と映画館で観る日も来るのではと思わずにはいられない。


今回は既に2度観ている。初回は2週間前のアメリカ出張の際、ニューヨークで。平日朝の9時40分のIMAXの会を堪能した。観客数は20名程度だったろうか。2度目は日本での区会初日。映画の日と言う事もあり大変な混雑ぶりだった。嫁さんが初回を観に行き、私は嫁さんにチケットを買ってもらって午後の回を。小さい子供がいるとなかなか夫婦揃ってとはいかない。

方々で書かれている事なので私から特にコメントする事は無いが、ダニエル・クレイグボンドの特徴は今の時代に合わせたリブートだろう。今回はまさに古いボンドと新しいボンドの見事なミックスぶりだった。新しいシリーズでありながら過去のシリーズに繋がるとでも言うべきか。堪能した。冒頭のアクションシーンで鳥肌が立つような感動を与えてくれる作品なんてそうそう無い。2度目でもそれは変わらなかった。Qとのやり取りなど、予備知識が無くても普通に面白いが、過去の作品を知っていれば更に面白い。アストンマーティンはその最たるものだろう。

個人的に日米での鑑賞比較をすると観客のノリだろう。NYで観た時は少数だったにも関わらず私を含めて映画の某シーンなどで、「それか!」、みたいな感じで観客が盛り上がるのに対し、日本の映画館はとにかく静か。声を出して笑うのがためらわれるぐらいである。後は鑑賞後、映画の雰囲気に浸って映画館を出てくるのは良い映画のお約束だが、NYにいる時の方が自分自身の表情を含め「なりきり感」が強かった気がする。そのまま映画の世界がスクリーンの外に広がっている感じとでも言おうか。これは街の持つ空気の違いかもしれない。

いずれにせよお勧め

次回作かその次ぐらいは子供と行くのだろうかと思うと妙な感じです

2012年11月15日木曜日

New York

マンハッタンのホテルでこの文書を書いている。最後にこの街に来たのは昨年の5月だから約1年半ぶりか。何だかんだと2008年に帰国して以来、一年に一回はこの街に戻って来る機会があるが今回は出張。メインの仕事はボストン郊外だったのだが、同僚達を連れての出張でもあり、ボストンの後にNYに寄れるよう半年近く前に取引先に提案していた事が実を結んだ次第。ほとんど運とも言う。

行きのフライトはデトロイト経由。預けた荷物が無事にバゲージクレームで出て来るまで氣は抜けない。それさえクリアすれば、乗り継ぎのフライトがエンジントラブルで飛ばない事だって些細な事。と言うか、この国では物事が順調に行けば御の字。スムースに行かない事を前提に思っているぐらいがちょうど良い。

幸い取引先との打ち合わせは非常に生産的で、ボストンを昼過ぎに後にしラガーディア空港に夕方前に到着した。ホテルでチェックイン。別な取引先との打ち合わせを古巣の事務所で行う為に同僚達を連れて勝手知ったる昔のオフィスを訪れる。その後は会食か、韓国料理が食べたいと言うのでコリアンタウンへ。少し並んだ後に通され、ビールと共に食事を終える。取引先を駅まで見送り、そのまま同僚達に地下鉄の乗り方を教え地下鉄でホテルに戻った。

業務メールを見ると色々と飛び交っているが、今出来る事と来週以降の予定を切り分けながらちゃっちゃと進めていく。ボストンの取引先からお礼のメールが届いており、それに返礼して30分後、同僚もレスを書いているのに氣が付いた。


NYに着いてからトウヤはますます水を得た魚のようで~


うん、言われてみれば反論は出来ない。明日からの2日間、予定は一杯だ

2012年11月4日日曜日

2012年11月1日木曜日

Star Wars Episode 7






本来なら昨日の内に何か書くべきだったのだろうが、未だに言葉が無いと言うのが正直な所だ。昨日の朝、Facebookで友人からこの話を聞いた時は、「何の事?」、と思っていたのだが、出勤時の電車の中、Twitterで情報を読むにつれ冗談では無かったのかと言う思いと、「どうなるのだろう?」、と言う思いに捉われた。答はまだ無い。

Star Warsは元々9作の構成だったのが、新3部作が出来る頃にルーカスの6作構想に変わり、その直前辺りからEU(Expanded Universe)と言う形で小説が多数登場するようになった。このブログでも触れた事があるかもしれないが、数々の小説を経て、今やハンとレイアには孫が、ルークの息子はティーンエイジャーと言う状態である。新作は小説の世界を踏襲するのか否か、考えれば考える程、悩む。

公開は2015年。たったの3年後である。新3部作の間、私は仕事でアメリカにおり、公開初日は会社を休んで映画館に行っていた。1997年に特別編が公開された時は社会人になる直前でハワイの師匠の家に一ヶ月居候させてもらって稽古の傍ら、映画館に行っていた。2015年はどうだろう? 

その昔、初めて父親にせがんで観に行ったのが「帝国の逆襲」だった。小学校の頃である。2015年にEpisode 7と言うと息子は5歳、映画館に連れて行くのは微妙な年頃か。大体、3Dで全6作を公開すると言う案はどうなったのか、2015年のStar Warsが今の感覚で3Dと言われたら微妙だ。書けば書くほど頭の中がグルグルしてくる。むむむ。


取り敢えず当面はStar Warsネタに困らないと言うのが救いか

2012年10月20日土曜日

エクスペンダブルズ2/The Expendables 2

今日は映画の日、嫁さんの実家で子供の面倒を見てくれるとの事で、嫁さんと2人、「The Expendables 2」、を観に行った。嫁さんの趣味度数ゼロ、私の趣味度数100に近い配分だったが、他にちょうど良い作品が無かったのである。普通の予告編はこんな感じ。


ただ、映画のノリを考えると、こっちの方がイメージとしては近い。センスも良い氣がする。


このノリも素晴らしい。


物語はあって無いようなものである。と言うか、スーパーご都合主義。物語があってキャラがいるのでは無く、キャラに合わせて物語が作られている状態。チャック・ノリスなんて登場の仕方も退場の仕方も唐突過ぎて茫然とするぐらい。

だが、それで良い。

だってこの映画の魅力は80年代から今に至るありとあらゆるアクション俳優を一堂に集めている事だから。同じ画面にスタローン、シュワ、ウィリスがいたら後の辻褄合わせなんて些細な事である。大体、戦争映画なのに皆、無駄に肉弾戦が多い。ジェット・リー、ジェイソン・ステイサム、ヴァンダムがいたら、彼らには銃をぶっ放すより、格闘して欲しい。それも中二病の妄想に応えるように他の大物と。そんなファンの願望に素直に応えているのが素晴らしい。

そしてセリフ。シュワに向かって「Your ass will be terminated」、とか、シュワが「I will be back」と言うのに対し、ウィリスが「You've been back too much, this time I will be back」と言って飛び出し、シュワが「イピカイエー」 、とかお互いに相手の決め台詞を吐いたり、やっている人達が実に楽しそうである。方々で大笑い。コメディかと思うぐらい。


映画館で笑っていたのは我々夫婦が主でしたけど


興味ゼロの嫁さんが1作目も観たいと言い始めましたイピカイエー

2012年10月17日水曜日

血生臭い話

 それは9月末の土曜の夜中の事、台所での出来事だった。まだ暑く、水出しで作った麦茶のボトルを冷蔵庫にしまおうとした私は深く考える事無く、蓋の部分を右手で掴んで持ち上げた。ガラスのビンにプラスティックの蓋、時々すっぽ抜けるんだよなと思いながら冷蔵庫のドアを開けようとした時、スポッとボトルが抜け足元で粉々になった。手元にはプラスティックの蓋が残ったまま。

粉々になるガラスと「あっ」と声が出るタイミングは一緒だったかもしれない。フローリングの足元にはお茶とガラスの破片が飛び散り、同時に右足の指先付近の水溜りが急激に赤くなり始めた。

あちゃちゃ。

どこから血が出ているのかが分からないが、右足の親指の付け根は真赤である。痛みは無い。取り敢えず大きな破片をまとめつつ、慎重に右足の位置を移動させたら血溜まりも綺麗に移動した。結構な量、出ている氣がする。そんな時、何が起きたのかと嫁さんが台所に顔を出した。少し固まりがちな嫁さんに事情を説明する。取り敢えず雑巾で拭いて、それから掃除機だろうか。自分の足の血もどうにかしなくてはならない。夜中で子供が寝ているのがせめての救い。こんな場で身動きが取れない状態で好奇心の塊に突入されては堪らない。

血をどうにかしようと台所のシンクに右足を入れ、水で流してみた。血が流れ傷痕が見える。深くは無いが少しえぐられた感じだろうか。キッチンタオルで止血をはかり、その後、嫁さんからもらったティッシュで傷を押さえる。やれやれである。私が動けないので嫁さんが雑巾がけをしてくれる。バケツの中の水は真赤に。自分の傷なのに他人事のようなプチホラー感。

結果から言うと嫁さんが掃除をしてくれ、私の足は応急処置。昨年の震災後に用意してあった防災ツールの中にセットが入っていた事をその時初めて知った。痛みは無かったが傷痕の場所が場所だけに大きなバンドエイドをしていても数日間は毎日、帰宅後、皮靴を脱ぐと血が滲んでいる状態だった。幸い大事にはならなかったが学習した事が一つ。


映画や小説で描写されているようにガラスが割れると結構切れる

嫁さんからは「あんなにまとまった血を見た事無いし、台所が血生臭かった」とコメントされました。えぇっとごめんなさい、そしてありがとう。

2012年10月15日月曜日

Ally McBeal

私は1998年から2008年の10年間、仕事でアメリカで生活していたのだが、初期の頃、よく観ていたドラマがAlly McBeal。邦題は「アリー my Love」である。ボストンを舞台に主人公のアリーを軸に恋愛コメディ、そして法廷ドラマと盛り上がる。英語字幕を表示させて一所懸命にあらすじを追っていたのは14年近くも前の事と思うと、茫然だ。


そんなドラマだが、そう言えば第一シーズンは未見だったのと思い、DVDを借りて来て数話観た。一緒に観ていた嫁さんと話題になったのが何故、主人公に共感出来ないか。むしろ弁護士事務所を経営するリチャードやアリーの秘書のエレインの方が面白い。以前、観ていた時はアリーと元彼のビリーの関係など、大いに氣になったものだが、今、観ると「お前、その中途半端な優しさがさ」、と説教したい氣分になってくる。

これが落ち着くと言う事か。

考えてみればアリーを観始めた時は20代半ば、異国で独り、色々と奮闘している時代だった。今は30代のファイナルカウントダウン、妻子持ちである。物の見方が変わると言うのはこう言う事かと思ったり。昔テレビで観ていた時は意識していなかったが、登場人物も20代後半かせいぜい30頭なんだろうと思うと、思わず目が遠くなる。家のどこかにサントラのCDも数枚あった氣がするのだが、どうしたものやら。


後ネクタイが90年代・・・

やはり派手なネクタイよりクラシックな方が時代を超えるのかもしれません

2012年8月26日日曜日

Midnight in Paris

 事の始まりは近所のミニシアターに保育所が付いていると言う事を嫁さんが発見したと言う事。子供を映画の上映中に預ければ一緒に映画を観れるではないかと言う話だった。考えてみると子供が生まれる前日まで映画館に通っていたが(Tim BurtonのAlice in Wonderlandだったと記憶している)、それ以来、2人で映画館に行った事は無い。それをやってみようかと考えていたら、嫁さんの両親が家で子供の面倒を見てくれる事になり、その言葉に甘えて日曜朝の10時に回に出かけて行った。


物語が始まるまでは携帯から「即刻帰宅命令」連絡が来るのではとドキドキしていたが、映画が始まるとあっさりと物語に引き込まれた。主人公のギルはハリウッドの売れっ子脚本家で作家志望、婚約者とその両親とパリに遊びに来ているが、婚約者とは価値観が食い違うし、小説の出来に悶々としている。 そんな中、真夜中過ぎたパリを散策していると1920年代に迷い込み、そこにはフィッツジェラルドやヘミングウェーが・・・と言った物語。

1時間34分と言う短い時間で綺麗に物語がまとまっており、主人公の成長もきちんと描かれている点が満足。そしてパリの描かれた方が観光映画かと思わせるぐらい魅力的。これを観たらパリの街を散策したくなる。そう言えば最後にパリを訪れたのは2001年のテロの前だったけなと思い出す。あの時はちょうど夏の季節で散歩には最適だった。でも子供を連れてはこんな大人の世界は無理だしなぁーなんて事を思わせるような映画だった。パリと言う街だからこそ成立するファンタジー。

映画終了後、嫁さんが両親に電話をしたら、子供はとても元氣に遊んでいるとの事でそのまま2人でランチにコーヒーと楽しんだ。子供が昼寝をする前に愚図ると面倒だからと帰宅するとちょうど寝入った所、拍子抜けである。たっぷりと遊んでもらったようで感謝。こんな珍しい出来事をFacebookに投稿したらNY時代の後輩からコメントが。


楽しい夜が過ごせたようで何より、次回は2年以内に!


うん、まぁ朝だったのだけどね・・・こんなコメントを残した友人は華の独身貴族

2012年8月14日火曜日

ミッション

それはおエライさんからのメールから始った。某国大使館のパーティにトップと二人で招待されているが自分はどうしても行けない。その事をトップに打診した所、私を代わり通訳として連れて行くとの指令が下った。その日の予定はどうか?正式な招待状は既に回付したからすぐに手元に届く。

その日は多数の取引先を招いたセミナーがあり、責任者である私が不在と言う訳には行かないと説明したものの、「君以外でもそれは出来るだろ」、と押し切られた。セミナーの前半を自分でまとめて後半は他のメンバーに任せれば出来ない事は無いかもしれない。そんな形でこなす事にした。そもそも選択肢なんか与えられていないし。

パーティーはラウンジスーツ着用との事とあった。一瞬、ブラックタイ、タキシードかと思ったが普通のスーツで良いらしい。ちょっとつまらない。以前NY時代にタキシード着用のパーティーに出席する為に衣装をレンタルして参加した事を思い出す。通訳で参加するとは言え、大使館のパーティーとはどんなものだろう。立食にカクテル、ミステリアスな美女に武器を携帯したエージェントが闊歩しているのだろうか、ミッション・インポッシブルやジェームズ・ボンドのようなイメージが頭を駆け巡る。脳内BGMは当然007。語る私に対する嫁さんの失笑は氣にしない。

それが昨日の事。

お盆で比較的のんびりしているとは言え、やる事には事欠かない状態で仕事をしている電話がまわってきた。某国大使館から。何だろうと思って出た。「今回のパーティは代理での出席は認められません」。


何だよ


後に打合せから席に戻ると招待状がデスクに、業務メールには「招待状を返送しろ」、と言うおエライさんのメッセージがありました。夏の儚いボンドデビューの夢。


2012年7月29日日曜日

007とオリンピック

オリンピックの開会式が昨日だったと言う事は起きてから氣が付いたのだが、ネットで007がエリザベス女王をバッキンガム宮殿からエスコートする映像は楽しんだ。女王自ら、「Mr.Bond」と話しかける辺りが素晴らしい。さすが国をあげてのセレモニーである。



それとは別に30秒程度だが新しいSkyfallの予告編が公開されたようだ。


楽しみ

2012年7月23日月曜日

特報/Man of Steel

2006年の「Superman Returns」は過去のスーパーマンへのオマージュの多い私としては好きな作品なのだが、一般受けはそれ程しなかったようである。

だからだろうか、過去のバットマンとは全く異なる新生バットマンシリーズに続き、新しいスーパーマン、「Man of Steel」、訳せば「鋼鉄の男」だろうか。アメリカでついに公開開始の「The Dark Knight Rises」に合わせて、新スーパーマン、「Man of Steel」、の特報が公開された。しかも2本も。


流れる映像は一緒だが、ナレーションがそれぞれ異なる。一本目はスーパーマンの育ての親ケントを演じるケビン・コスナーによるもの、二本目はスーパーマンの生みの親Jor-Elを演じるラッセル・クロウによるもの。どちらもスーパーマンに生き方を諭す内容で実に渋い。今回のリブートではジョン・ウィリアムズのお約束であるサントラを聞く機会は無さそうだが、全く新しいタイプの物語が観れそうで楽しみである。


ところで「007 Skyfall」 の新予告編はまだですか?


アメリカのIMAXでは既に公開されていると言うのにネットではまだなんて・・・

2012年7月11日水曜日

サントラ/The Dark Knight Rises

私はサントラが好きだ。私のiPodの音楽をチェックすれば映画のサントラが延々と並んでいるのが分かる。朝の通勤時は必須アイテムだ。「Batman Begins」、「The Dark Knight」、はいずれもCDを持っている。そんな訳で作曲家のハンス・ジマーの最新作である「The Dark Knight Rises」のサントラが映画の公開前に全曲公開と言うのは信じられない思い


 映画を観る前から聞きこんでしまうじゃないか


サントラの売上、大丈夫なのか・・・

2012年7月5日木曜日

The Amazing Spider-man


アメリカより公開が早い唯一のアメコミ映画。日本での興行成績はどうなのだろう。先行ロードショーを観そびれ、初日に観に行った。スパイダーマンは私の好きなヒーローで、その主人公の等身大ぶりが子供の頃から好きだった。サム・ライミ版は第三弾を除いて今でも大好き。あの一作目が公開されたのが10年前の2002年とは改めてびっくりである。




当時、この予告編を繰り返し観た記憶があるのだが、当時はYouTubeも無かっただろう事を思うとビデオでの録画だったのだろうか。記憶は曖昧だ。予告編で流れる格好良い音楽とスパイダーマンの動きに何度も観たものである。新スパイダーマンの予告編はこんな感じ。



今回の作品はリブートなので、話の焦点は異なるものの、前半のピーターがクモに咬まれて特殊能力を身に付け、スパイダーマンとして活躍する事を決意するまでの流れはある種のデジャヴュ感が無くも無い。異なるのはピーターを演じるアンドリュー・ガーフィルドがトビー・マクグワイアと比べるとずっとスマートに格好良い所か。海外のサイトでも指摘されていたがオタクっぽさが消えている。コンタクトレンズをして、スケートボードに乗り、女の子相手にも前3作のような奥手全開と言う感じでは無い。

全体として感じたのは青春ものとしての香りか。主人公二人がとても良い味を出している。そして私が好きだったのが、ニューヨーカーの協力である。前3作でもそうだったが、スパイダーマンが窮地に陥ると街の人達が一生懸命に助けてくれるのである。2001年の同時多発テロの時も同じような空氣があった。日頃はとても冷たく感じられるニューヨーカーが危機の時は率先して互いに助け合う。あの感覚に似たものが映画を観ていて今回も感じられた。まさに良き隣人スパイダーマンである。

今回の作品は新三部作の第一作目らしい。新しいスパイダーマンの活躍にファンとしてはぜひ期待したい。で、日本の配給会社には注文が一つ。




エンドクレジットで日本語の歌を入れるのはやめてくれ


洋画を堪能した余韻が破壊されるので、せめて日本語吹き替え版にのみ付けるとか工夫して欲しいものです

2012年5月29日火曜日

自然


この違和感の無さ、素晴らしいね

一瞬、SWなのかインディーなのか判断に苦しむし

2012年5月21日月曜日

007/スカイフォール

先週、月曜日に予告編第一弾が出ると聞いて、欧米の月曜だろうと思って帰宅したら、既に出ていた。007最新作、Skyfallの予告編。



渋いぜ


日本公開は12月だったかな、楽しみです

2012年4月23日月曜日

わたしを離さないで(Never Let Me Go)

レンタルショップでしばらく氣にはなっていたのだが、嫁さんが借りて来たので週末に観た。原作は「日の名残り」でイギリスの文学賞であるブッカー賞を取ったカズオ・イシグロの2005年の小説。映画はキャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイが主演を務め、キャリー・マリガンが演じるキャシーの回想と言う形で物語は展開する。イギリスの片田舎の寄宿学校ヘールシャムで子供時代から一緒に育ったキャシー、ルース、トミー3人のドラマ。



 切ない。この映画を一言で表現するとしたらこれに尽きる。題材は一応SFなのだが、物語の設定が過去なので、映画にはSFらしさはほぼ皆無。冒頭で説明される物語の時代背景設定もサラッとし過ぎていて、その上、物語は天氣の悪いイギリスで続くので、下手すると途中まで題材がSFである事を忘れてしまうぐらいだ。抑制された絵と淡々と語られる物語の中で一つ一つの事件が胸を締め付ける。


ここから先は少しネタばれ。分かる人には予告編で充分にネタばれしている感があるが、一応警告。

 観終えた時にとにかく救いの無い切なさに包まれたのだが、同時にデジャ・ヴュ感もあった。この物語の骨子、どこかで観たような。それで思い出したのが、2005年のマイケル・ベイの映画、「アイランド」。


 全く異なる作品のように見えるが、基本的には同じ話である。方や純文学で登場人物の心理描写と逆らえない運命を抑制したタッチで描く。方やハリウッドの大資金でアクションと盛大な爆発シーンを交えて、主人公達は運命に逆らいハッピーエンドに持ち込む。どちらが面白いかは個人の好みがわかれる所かもしれない。個人的には「わたしを離さないで」が好み。


家にあるカズオ・イシグロの他の未読小説を読むべきかは悩む所ではあるが




2012年4月17日火曜日

台湾、食の旅/村子口

親友からの台北、食ガイドの中に記載のあった店で強烈だったのがこの村子口。コメントに、「本物のハードコア台湾料理が食べたかったらここ。保証するけど行ったら非台湾人は君らだけだから」、とあった。場所は忠孝敦化駅の近く。今回、泊まっていたホテルからも散歩にちょうど良い距離だった。友人のコメントに、「とにかく混んでいるから12時前に行くように」、とあり、11時半前の開店直後に辿り着いた。

 普通のオフィス街の中にあるにしてはなかなか独特の空氣を醸し出しているが、我々が入ってすぐに地元のサラリーマンやらその他大勢の人が来て、店内はすぐに混みだした。我々は壁際の2人用のテーブルの隣にベビーカーを寄せていたが、円卓は一氣に相席状態。子供がちょうど昼寝を始めたので、その幸運を噛み締めながら味わった。




確かに日本人は我々だけで、メニューは中国語のみ。紙に書かれた漢字メニューに数字を書き込んでお店の人に渡す他、自分で取りに行く。



こちらのブログに詳しく書いてあるが、自分で食材をピックアップしてお店の人に頼むと刻んで料理してくれる。嫁さんがさっと取りに行って持ってかえってきたのが中央の内臓系の料理である。水餃子はお店の人のお薦めで6個を注文したが、あまりの美味しさに感激して6個追加した。紅燒牛肉麵、麺は普通に美味しいなと思っていたが、スープを飲んだら吹き飛ばされる美味さ。びっくりした。その他にも我々のテーブルの近くに巨大な鍋があり、


人々が各々並びながら自由にスープと中に入っているトウモロコシを取っていた。こちらは周りの人々の物真似で我々もおかわりしながら味わった。他にも試したい料理は幾つかあったのだが、昼間はやっていない料理もあったようで今回はこの程度。こちらに他の料理も載っている(ジャージャー麺ももちろん食べた)。

今回びっくりしたのが、実は嫁さんがこの店に来るのは二度目だったと言う事実。台湾は何度も出張で過去に訪れており、取引先と食事をする事も多かったそうなのだが、一度、現場レベルの若い台湾人に連れられて来た事があったそうな。とても美味しかったので、もう一度行きたいと思いつつ、場所も名前も分らなかった所に今回、偶然、再訪出来た次第。確かに普通に海外から来た取引先を接待するのに使う店ではないが、親しくなった後に、地元の人達が行列して食べるような美味しい店である。ここももう一度行きたかったのだが、時間の都合で叶わなかった。餃子を追加して腹一杯、それでいて値段は500元ちょっと程度だったと記憶する。安い、さすが地元の人達が昼飯を食べに来るお店。子供が起きてきた事もあり、美味しさの余韻に浸りつつお店を後にした。


そのままフルーツバーに行ってデザート


そこで食べた釈迦頭(バンレイシ)がまた美味しくて・・・しかし腹一杯であまり食べられず、主に子供に食べられました(写真左手前)

<写真>

2012年4月16日月曜日

台湾、食の旅/大隱酒食

台湾に旅行するに当たり、親友の台湾人は不在だったのだが、「子連れで行ける美味しいお店を教えて欲しい」、と尋ねたら写真付の論文のような案内文が届いた。お茶、夜市、そして料理と詳細に渡っている。そんな中から行ったお店を一つ紹介。

大隱酒食。ネットで検索すると住所も含めて色々と紹介されているが、我々は夕食を食べに行った。夕食と言っても子供が早く寝るので、夜遅くまで散策する訳にもいかず開店早々、17時半に行った。お店の外観はこんな感じ。




日本語メニューあり。言葉の通じ具合は何となくと言う感じ。親友のコメントは、「何を注文しても外す事は無いが、ラードライスは必須」。素直に従った。ラードライスも美味しかったが私の脳を吹き飛ばしたのは牡蠣の炒め物。私の写真だとピンボケでイメージが掴み難いかもしれないが、こちらで奇麗に紹介されている。



ちなみに私の写真の手前に写っているのが牡蠣で、その隣がイカの生姜炒め。お店の人にお勧めを尋ねた所、焼き魚と牡蠣がお勧めであった。とは言え日本から来て焼き魚を食べなくても良いだろうとイカを注文。限り無く納得されない表情だったが、他の料理がかなり鮮明な味わいの中、さっぱりしており、箸が進んだ。

この日は朝、台北市に入り、ホテルにチェックインする前に早めのランチにと歩いてすぐの鼎泰豊(ディンタイフォン)でも食事。日本には無いメニューが盛りだくさんでとても美味しかったのだが、大隱酒食で夕食を楽しんでいたら記憶がかすんでしまった。料金は1、035元ぐらいだったか、日本円で2,800円ぐらい。お酒無しで大人二名、子供一人だと実にリーズナブル。また行きたい店である。


注文時にオーダーストップをかけられましたけど

鼎泰豊(ディンタイフォン)と大隱酒食、それぞれ店員に「そんなに食べられないから」と幾つかの品は泣く泣く諦めました

2012年4月11日水曜日

台湾

それは2週間前の金曜日午後に突然やって来た。マイレージで申し込みをし、キャンセル待ちをしていたチケットが取れたとの連絡が嫁さんからあったのである。出発日は翌週。子供が2歳になって国際便のチケット代がかかる前にもう一度、海外に行こうと計画はしていたがもう少し先の話だと思っていた。そう言えば第二希望でそんな日程を考えていた事を思い出した。行き先は台湾。

難点は休暇を取る事だが、会社で空氣を読まない事については定評のある私、タイミングを見計らって上司に相談、了解を得た。ネットが繋がらない場所に行く訳では無いし、何とかなるだろう。台湾、私にとっては10数年ぶりのアジア、そして初めての国だが、嫁さんは出張で10回近く行っている。大ベテランの嫁さんにホテルの手配などをお願いする。

台湾で何がしたいか。家族で行くからには美味しいものを食べる事が第一。そして私の場合、親友兼師匠の国である。本場の国で妻子が寝た後か起きる前に濃い時間を過ごす事が最大の楽しみだ。ワクワクしながら師匠に遂に台湾行がかなったとのメールを打つ。レスは翌々日に届いた。「実は用事があって家族全員、アメリカに戻って来ている。5月にはまた台湾に行くのだけど」。


何だよ!

旅のフォーカスは食に決定した瞬間でした

2012年4月2日月曜日

デニーロ フェア


意図していた訳では無いのだがこちらの方の掲示板のコメントに触発されて久しぶりに「Midnight Run」を借りて観た後、嫁さんが「Wag the Dog」を借りてきて観賞。期せずして1988年の作品と1997年のロバート・デニーロの作品を観る事になった。




「ミッドナイトラン」。現在、続編の製作が噂されている賞金稼ぎを描いた1988年の傑作。映画館で観た記憶があるので当時、中学生か高校生だったに違いない。元警官で賞金稼ぎのデニーロが、会計士でギャングの金を慈善団体に寄付してしまったグローディンをNYで捕まえてLAまで連れて行く物語。典型的なバディー・ムービーである。当時はピンと来なかったが、NY、ピッツバーグ、シカゴ、ラスベガス、LAの漠然とした位置関係が分かると彼等の旅ぶりが何となく伝わって来る。

登場人物の大半がヘビー・スモーカー、電話は公衆電話、飛行機のイヤホンは耳にぶら下げる聴診器型、カメラはポラロイドと言う辺りにとことん80年代を感じる。物語が全体的に能天氣な明るい空氣に包まれているのも80年代の映画の特徴か。当時のデニーロと今の自分があまり歳が変わらないと言う事実に茫然。





「ウワサの真相-ワグ・ザ・ドッグ」。大統領選挙を2週間後に控えた所に現職の大統領にセックス・スキャンダルが。もみ消しのプロとして雇われたデニーロがハリウッドのプロデューサー(ダスティン・ホフマン)と組んで世論操作の為に戦争をでっち上げる物語。今、観るとどこかで聞いた事があるような話だと思うが、驚くべきはクリントン大統領のモニカ・ルインスキー事件の前に作られていると言う事実。上映時間97分と徹底的に無駄を省いた構成とブラックユーモアで退屈させない。テレビニュースが世論を形成する空氣、同時多発テロの後のイラク侵攻前のアメリカで実感した事を思い出す。大ヒットするタイプの映画では無いが、大人の鑑賞に耐えうる作品。私の中ではデニーロとホフマンの共演は2004年の「ミート・ザ・ペアレンツ2(Meet the Parents 2)」、だったのでここで共演していたのはプチ発見。

特にデニーロを意識している訳では無いのだが、クリスマスから年末年始にかけて「ゴッドファーザー」三部作を観て以来、氣が付いたら結構まとめて観ている氣がする(「ディア・ハンター」も観たし)。先日、書いたタクシードライバーと比較しても70年代、80年代、90年代とそれぞれの時代の空氣が反映されているなと思う。


 今のネット時代では逆に考えられない面白み


 「ミッドナイトラン」の設定も「ウワサの真相」も今の時代背景では物語が成立しないだろうと思った次第です

2012年3月30日金曜日

武道の必修化に思う事 - 其の二

私自身の武道の義務化についての思いはこちらで書いた通り。基本的に素人に毛が生えたような「何ちゃって黒帯」に自分の子供を預けるのはごめんこうむりたい。礼儀精神云々と言うのも実に眉唾ものだと言う所に尽きる。

「大外刈り」禁止 中学柔道指針 試合は座った状態でと言うニュースを見た。最初の反応は、オチは何だろう?と言うものだったがどうやら真面目なニュースらしい。笑ったら良いのか呆れたら良いのか、少し呟いてしまった。

ま、この指針の氣持ちは分かる。私が最初に反対した理由も、多くの死人や怪我人を出していると言う点に立脚しているので、そこを回避したいのであろう。大体、中学1、2年で計約20時間、選択制の3年でプラス10時間の計30時間では出来る事にも限りがあるだろう。そこで試合は座った状態で、1、2年生については「投げ技は互いに約束した動きの中で行うだけで、乱取りなどは行わない」、と言う結論に至ったのだと思う。しかしこれって、柔道と言うよりは古流の柔術。あるいは合氣道と言っても良い。

別にそれはそれで良いのだけど、座った状態から乱取をすると勝敗はどうやってつけるのだろう。投げるのは難しいだろうから、寝技か?すると関節技や絞め技の登場になるが、これは指導者がきちんと監督していないとタップのタイミングを誤ったりしてやはり怪我につながる危険性がある。体力は消耗するから良い運動にはなるが、高専柔道やブラジリアン柔術の分野だろう。だんだん教育の名の元に何を目指しているのか外からは分り難いと言うのが正直な所だ。

取り敢えずネットを見まわした限りではこのニュースについて肯定的な捉え方をしている所は少ない様子。「武道」必修化 アナクロニズムそのものなんて記事もあった。締めはこんな文章むしろ、サッカーやバレー、バスケットなどの団体球技を増やし、大震災でクローズアップされた「絆」の大切さをボール一つ、チームプレーで体感させた方が、より教育的ではないか。


あぁ、こう言うのもとても苦手


球技とグループスポーツのエリアであまり楽しい記憶が無いのでこちらも賛同し辛い

子供には自分の身は自分で守れるように教えないとなぁー

2012年3月28日水曜日

組手にまつわるエトセトラ

ここ一年弱、私が主に顔を出している稽古会はNY時代にネットで知りあった古流の流儀の方のものだ。正確には関東の自主稽古会と言った方が良い。10人に満たない少人数で楽しく稽古させてもらっている。最近は一部の間でスパーリングが流行っており、グローブと頭部用の防具で何人かが稽古している。組手は私も好きだが防具を買うのは少しためらわれるなと言うのが私の第一印象。

思い出した。

考えてみると我が家にも防具があった。NY時代に数年間、合氣道と同時にJKDを学んでいた時にフェイスマスクとフィンガーグローブは買っていた。自宅で棚を探すと案の定、出て来た。それを持ってウキウキと週末の稽古へ。通常の稽古の後に数年ぶりかにマスクをして組手をする機会があった。

ルールは手のみのライトコンタクト。防具を付けていると距離感がやはり異なる。後半歩踏み込まないと当たらない距離でも顔面に当てる事が出来る。そして打たれる事に対する恐怖が半減した所に蹴り無しなので、積極的に前に出て打ち合う事が出来た。時間にして5分程度だろうか。久しぶりに遊んだ感じ。右手を見たら、人差し指の所に血豆が出来て腫れていた。フィンガーグローブで鉄面を殴ったら仕方無い。

翌日、起きたら首が少し筋肉痛だった。打たれたからだろう。身体の他の部位の筋肉痛については良い稽古の思い出とする。子供に朝食をあげていたら、私の右手の血豆と腫れた後を見て、「トウサン、イタイ」、と盛んに言っていた。子供でも見て分かるものなのかと感心しながら、「そうだね、痛いね」、と相槌を打っていると、「トウサン、イタイ」、と言いながらグリグリっと人の痣を押す息子。


痛ぇよ


そんな息子はとても嬉しそうでした、コイツ、楽しんでいるな?

2012年3月26日月曜日

Star Wars Episode 1 3D



最少に懺悔しなくてはいけない事がある。自他共に認めるSWファンの私だが、この映画については映画館に行くを半ば義務のように感じていたと言う事だ。3Dのスターウォーズと言うものにそもそもあまり関心が無かったし、何と言っても作品はシリーズ中、最も評価の低いエピソード1。先週、公開が始まりすぐに行こうかと思ったが、その時は氣分的にシャーロック・ホームズの新作を優先してしまった。そして翌週末、改めて映画館へ。

感動した。

いや、物語は相変わらずツッコミ所が満載だし、要所要所で、「うーん、そこの描写がちょっと違うのだな」、と思う氣持ちも健在なのだが、大スクリーンにStar Warsの文字がジョン・ウィリアムズのスコアと共に表示された瞬間、自分がどれだけこのシリーズを好きなのか思い知らされた。そして不思議な事に昔と比べるとずっと素直に楽しむ事が出来た。

何故だろう。

昔、観た時は大して氣にもならなかったクワイ=ガン・ジンとアナキン、そしてアナキンの母親のシュミとの関係がもっともじっくりと染み通って来た感があったのは自分も父親になったからかと思わなくもない。クワイ=ガンのキャラ自体がずっとジェダイ・マスターとしてしっくり来るようになったのは純粋に自分の歳故か。アナキンやオビ・ワンに対して以前は感じなかったクワイ=ガンの大人、あるいは父親像の包容力のようなものを感じた。

もう一つ大きいのはエピソード1の位置付だろう。1999年5月に公開された時は10数年ぶりのSWの新作と言う事で当時の私も含め凄まじい期待値の高さがあった。結果は何と言うか微妙な肩透かし感。子供の頃、胸をワクワクさせて映画館にいた時に味わったSWって、こんな映画だったけ?と言う消化不良な氣持ちがあった。映画の冒頭や、ダース・モールのライトセーバーシーンなど昔も良かったし、今も良いシーンもあれば、惑星ナブーの描き方のように昔も今も何だかピンと来ないシーンもある(本当に侵略されているのかと改めて疑問に思ったり)。ただ、エピソード1単体で見るのでは無く、全6エピソードの一作目と言う位置で観ると、一つ一つのパズルのピースがもっとすっと収まる感じがする。もちろん、先日書いた「Darth Plagueis」を読んでいれば、「このシーンの裏側であんな事が展開して・・・」、と夢想する楽しみもある。


SWは映画館の大スクリーンが良く似合う

3Dや物語云々以上に映画館の至福を堪能する2時間強でした

2012年3月22日木曜日

Battlestar Galactica Blood and Chrome

朝食時にメールをチェックするとNY道場の稽古仲間達がメールで盛り上がっていた。内容はBattlestar Galacticaの第一次サイロン戦争を描いたBlood and Chromeの予告編の内容について。「何?」と思ってリンク先のYouTubeをチェックするとNBCが該当動画を引き抜いた後だった。朝一からの絶望感。

日本国内ではほとんど賛同者を見つけた事の無いマイナーな話題のシリーズだが、Battlestar Galactica(BSG)は私のアメリカ時代、最も楽しんだSFテレビシリーズだと言っても過言では無い。2008年に帰任が決まった時、最終シーズンの途中で、「今、帰ったら続きが分からないじゃないか!」、と叫びたくなったぐらい。iPod Touchを買ってiTunesからアメリカのクレジットカードを使って日本国内で買えなかったBSGシリーズのエピソードを買って通勤中の電車の中で観たものである。今はDVDのレンタルショップに行けばあるけれど。

さらに当初、全く関心を示していなかった嫁さんに、何かの折に第一話を見せたら一氣にはまり、妊娠中や子供が生まれた後も夫婦で全話観たシリーズでもある。基本は自分達が作ったロボット(サイロン)の反乱によりほぼ全滅に追い込まれた人類のわずかな生き残りがサイロンの追跡をかわしながら住居可能な惑星を目指すと言う物語。極限状態の中での人々のサバイバルとドラマ、そしてエピソード毎に途切れぬ緊張感に虜になった。あのクオリティならもっと長引かせる事も出来たにも関わらず、潔く4シーズンで濃いまま終了したシリーズだ。

番外編のシリーズ、「Caprica」、や番外エピソードの「The Plan」、もあったが、この度、BSGの主人公であるアダマ艦長の若い頃を描いたBlood and Chromeが完成したようで、その予告編が出たらしい。友人達の盛り上がったメールはそれについて。帰宅して観る事が出来たが、イタチごっこのようにどんどん削除されている。



で、いつ放送されるんだ?
 



そもそも単発なのか、シリーズを狙ったパイロット版なのか、現時点では情報が少な過ぎる。



と思った矢先にこんな情報が。どうやら出回っていた動画は正式な予告編では無く、業界内のプロモ動画の様子(だったらThe Girl with Dragon Tattooと同じ曲で1分半の映像を流すのも分からなくは無い、恰好良いけど)、そしてTV放送では無くWeb配信かも?ちなみに上述のio9のサイトの動画はまだ残っています。

2012年3月21日水曜日

あなたの人生にストーム・トルーパー

季節柄、今の仕事は繁忙期なのであるが、夜、淡々と仕事をしていたら、友人から「お忙しいようですね・・・」、とのメールが。添付されていた写真はこれ。





無表情に食べていたクッキーを思わずPCの画面に噴き出しそうになった。文言がヒットしたのか、写真がヒットしなのかは分からない。取り敢えず、もう少し頑張るかと言う氣持ちになった。タイムリーなメールをくれた友人に感謝。しかし、何故、この写真は哀愁が漂うのだろうか?


まぁ、この通勤写真もそうだし。




 ちなみに自宅ではこんな感じです。あ、これは父親より、母親か?

2012年3月15日木曜日

Limitless / リミットレス

昨年のどこかの段階で結構格好良い予告編を楽しみながら、いつの間にか公開され、氣が付いたらレンタルショップに並んでいたこの作品。主人公のブラッドリー・クーパーは「Hangover」でブレイク、「Aチーム」でフェイスマンを演じたりしている人。共演はロバード・デ・ニーロ。




物語はシンプル。薬で超人的能力を身に付けたけど、薬は24時間しか効果が無い上に危ない副作用があるらしい、さてどうする?これだけである。結論、あまり深く考えたく無い時に楽しむにはちょうど良い。ただし肩透かし感あり。

映画は主人公のエディーが敵に追い詰められてビルから飛び降りようとする所から始り、そこから主人公のナレーションで回想が始まる。このパターンは「ファイト・クラブ」と一緒。結構好きである。舞台はマンハッタン。主人公はチャイナタウンに住んでいるのだが、途中で知らない内にメトロポリタン美術館に着いていて、「いつ間に?」、と言うシーンがあるのだが、それは確かに歩くには遠いだろと思ってしまうのは昔、住んでいた故か。

この映画、主人公が能力を開花させて行く過程は面白いのだが、主人公が結局、何をしたいのかが不明瞭なのが氣になった。作家志望から始り、投資その他へと移行して行くのだが、要するに金儲けがしたかったと言う事かと思ってしまったり。通常の特殊能力(ヒーローもの)だとその能力と引き換えに失うもの、あるいは諦めるものがあり、それがドラマを盛り上げるのだが、エディの場合はそれが無い。そこが多少、観ていて物足りない所かもしれない。しかしB級映画をB級映画として楽しみたい時は、お薦めである。


 嫁さんはデ・ニーロのエッジの無さに不満氣でしたが

最近、「Taxi Driver」や「The Deer Hunter」を観ていたので、少しノリの差が

ちなみに「Heat」のデ・ニーロはとっても格好良いです、映画もお薦め

2012年3月7日水曜日

New York

私は仕事の関係で1998年から2008年の10年間、アメリカのニューヨークに住んだ。正確には住んでいたのはハドソン川を挟んだニュージャージー州だが、会社も道場もマンハッタン。週6日はNYにいたので、NYに住んだと言っても嘘にはならないだろう。

私はNYの街が好きだ。東京から行くと地下鉄は暗いし、街も汚い。人々は自己主張が強いので、自分のスタンスをクリアにしていないとあっと言う間に疲労してしまう。夏は暑さで死者が出て、冬は寒さで死者が出る。このように書くと一体、何が良いのかと言う氣持ちになるが、チェルシーやヴィレッジなどを散策したり、車でハドソン川沿いを天氣の良い日に走らせている時の開放感は素晴らしい。ミッドタウンのオフィス街は東京のそれと大して変わらないが、数ブロック歩けば全く異なる街が広がる、そんな街。

もちろん映画の舞台になる事も数知れず。住んでから観直すと「Men in Black」、の冒頭の追跡シーンなどが具体的に皮膚感覚で分かる。「American Gangster」、の1シーンで主人公達が橋からマンハッタンに車で入るシーンが実はマンハッタンからの出口で映画館で思わず笑ったりした事もあった。人種の坩堝、アメリカ人が「ここはアメリカじゃない」と言う、そんな街。

年末年始にGodfatherシリーズを観た影響で、最近、アル・パチーノの「Serpico」、とロバード・デニーロの「Taxi Driver」、を観た。それぞれ70年代のNYを舞台にした名作。前者は腐敗した警察組織に単身戦いを挑む刑事を描いた実話、後者はベトナム帰りでタクシードライバーをする青年が徐々に静かな狂氣に蝕まれて行く物語。やはり名作だけあって今、観ても全く古臭さを感じない。パチーノやデニーロが自分より若いと言う事実に違和感を覚えるぐらいだ。





そしてNYの街並みが汚い


 この時代にいたら10年も住んでいただろうかと映画を観ながら自問自答

(Losing the edge、日本に長くいるとこの感覚に襲われます
)

2012年3月5日月曜日

Star Wars in Concert

昔のサイトで更新ネタにした記憶があるのだが、NY時代にJohn Williamsのコンサートがマンハッタンのリンカーン・センターで行われ、友人達と聞きに行った事がある。2007年の9月だったか。NY在住の友人カップルと日本から遊びに来ていた友人カップルと私の5人。偶然、新聞か何かでコンサートの事を知り、声をかけて行った次第。これはその時の写真。




 

ちなみにジョン・ウィリアムズは映画音楽の作曲家。アカデミー賞受賞5回、ノミネートに至っては42回と言う人物である。Star Wars、Superman、Jaws、Indiana Jones、Harry Potter、ETにJurassic Park。誰もが一度は聞いた事がある音楽を作った人。そんな彼がNYで演奏を。これはSW好きの仲間に声をかけなくてはなるまいと行動を起こした一昔。ちなみにNYカップル(女性)、日本カップル(男性)がそれぞれマニアに該当し、彼等と私の3人は演奏中、感動の余り涙を流しかねない勢いだった。その時はジョン・ウィリアムズの作品全般のコンサートだったのでスターウォーズやインディーが流れたのは最後のルーカスとスピルバーグへのオマージュの曲の時だったが、生演奏でジョン・ウィリアムズを見て曲を聞いた感動は今でも残っている。

そんな時、スター・ウォーズ in コンサートの情報が入って来た。






スター・ウォーズに特化、ライブ・ナレーションはアンソニー・ダニエルズ(C3PO)だと!これは見逃せない、東京公演は8月か。カレンダーをチェック。一人でコンサートも良いがちょっと味氣が無い。一緒に行く相手として嫁さんが浮かぶが、子供は連れて行けない。ならばとNYで一緒にコンサートに行った友人に声をかけた。「NYの時と同じようなヤツか、いいねぇ」、とのレスが。


出張でいないわ


 ・・・何て事か

(現在、氣を取り直して平日か週末かで悩んでおります)

2012年3月1日木曜日

The Avengers予告編第2段


朝、メールをチェックするとNYの親友から私と先輩の師範代にメールが届いていた。件名は「スゲェー」と言った意味の英語。本文はYouTubeのリンクのみだった。何だろうと思いながら朝食。フト思い当たり、家を出る前にパソコンでチェックした。The Avengersの予告編第2段である。





アメリカでは5月公開なのでそろそろ新しい予告編が出る頃だろうとは思っていた。感動してFacebookに投稿していたらいつも乗る電車にはギリギリになったが良しとする。出社してから動画の存在を知って悶々とするよりはずっと良い。

日中、FBをチェックしたらNY事務所のアメリカ人同僚からコメントが入っていた。曰く、「昔、会議室で新三部作の予告編を観た時代が懐かしいね」。そう言えばスター・ウォーズEpisode 1か2の頃、テレビで放映された予告編をビデオに録画して事務所に持参。同じSW好きの同僚と会議室で観て盛り上がった事があるのを思い出した。そんな事をしていたとは、まだネットで動画なんてコンセプトが一般的では無かった時代。10年以上の前の事か、確かに懐かしい。


そして自分の行動パターンは相変わらず

そう言えば私、子供の頃から映画本編はもちろんの事、出来の良い予告編も大好きなんです

2012年2月28日火曜日

ドラゴン・タトゥーの女/The Girl with the Dragon Tattoo

David Fincher監督の作品は1992年の「エイリアン3」から昨年の「Social Network」までどれも観ている。未見なのは2007年の「Zodiac」のみ。1999年の「Fight Club」は衝撃的な映画だった。あの映画の良さを誤解を招かないように伝えるのは本当に難しいのだがDVDでも持っている。2002年の「Panic Room」はマンハッタンの映画館で嫁さんと観た記憶がある。あれは仕事の帰りだったろうか、その辺りは曖昧だ。

昨夜、ツイッターでも呟いたが、仕事の後に観て来た。予告編は自分のiPod Touchで何度か観ていたが正直どんな映画を期待していたのかは分らない。結論から言うと久しぶりにパンチの効いた映画を観たと言う所。2時間40分の上映時間なんてあっと言う間だった。物語は雑誌「ミレニアム」の責任者の一人である主人公ミカエルが、大富豪の依頼で40年前に失踪した少女ハリエットの行方を追う。その過程で捜査に協力するのがドラゴン・タトゥーの女、天才ハッカーのリズベットだ。万人向けだとは思わないが、ジャンルはミステリーサスペンスか。映画のタイトルクレジットはこんな感じ



この出だしを007のようだと描写していた友人もいたが、個人的にはそれ以上にこの映画が描く暴力を象徴している氣がする。映画はレイトショーを観に行くのがほとんどなので観客層や年齢層を氣にした事は無いが、この映画はR15指定。そうだろう。映画を観ていて、「自分の子供には(大きくなるまでは)見せたくないな」、と感じたのは初めての経験だった。そう言えばフィンチャー監督の、「Se7en」、も暴力溢れる映画だった事を途中で思い出したりもした。


 万人に勧められないが語りたい氣にもなる映画でした


小説やスウェーデン版のオリジナルも氣になりますし

(ちなみにSW Episode 1 3Dの予告編もありました、こちらの大スクリーンも久しぶり)

2012年2月22日水曜日

スターウォーズに見る師弟関係

「Darth Plagueis(ダース・プレイガス)」を読み終えた。今回はその内容と、そこに見られる武術世界の師弟関係の類似性について述べたい。Darth PlagueisはEpisode 3でPalpatine(パルパティーン)がAnakin(アナキン)をフォースの暗黒面にそれとなく誘惑する際に言及される人物だ。



フォースを使って命を操れるだけの力を持つ事で、Darth Plagueis the Wise(賢者プレイガス)とまで呼ばれていながら、最終的に寝ている最中に弟子に殺されてしまった悲劇として語られるが、パルパティーンの表情から彼が自分の師の話をしている事が伺えるシーンだ。そんなダース・プレイガスと弟子のダース・シディアス(パルパティーン)の物語がこの本。





スターウォーズの小説は無数にあるが、その中でもこれはダントツの出来。何が面白いのかと言えばスターウォーズの宇宙を舞台にしながら、基本はポリティカル・スリラーに近いからではないかと思う。映画の新三部作は少年アナキンがジェダイとなり、最終的にフォースの暗黒面の誘惑に負けてダース・ベイダーとなってジェダイを滅ぼす物語だが、同時に惑星ナブー出身の共和国元老院議員パルパティーンが権力の座に上り詰める物語でもある(Episode 1でSupreme Chancellor、元老院最高議長。Episode 3で皇帝を名乗るまで)。小説では17歳のパルパティーンがプレイガスにその才能を見出されてシスの教えに弟子入りし、裏でその修行を積む傍ら、表の社会で議員となり、どんどん政治家として力を身に付けて行く過程を描く。そう言う意味ではタイトルこそ、ダース・プレイガスだが、実質はパルパティーンの物語と言っても良い。

映画で言及されているようにプレイガスはシディアスに睡眠中に殺される。よって物語もプレイガスの死から始り、そこから遡って、プレイガスの死で終わる。ここで付け加える必要があるのが、シスの教えは常に師1名、弟子1名のRule of Twoと言う教えに基づいており、弟子は師を超えた段階で師を倒して、自分が改めて師となると言う流れ。ジェダイが常に多数のグループを作っているのに対し、シスはベースが利己主義な為、同じように多数いては仲間内で潰し合ってしまうので敢えて師弟2名と言う状態を保っていると言う設定だ。小説も最初の段階でプレイガスが自分の師を殺害する描写がある。そこから弟子となる候補を探していく過程でパルパティーンに巡り合う。

ジェダイもシスもフォースの担い手でないとなれない。ジェダイは幼児の頃から世俗的な物事に執着しないようジェダイの寺院で鍛えられ、シスは才能を認められた段階で入門が許されると言う流れ。Episode 3でアナキンがシディアスに弟子入りする場面があるが、跪いて教えを請い、そこで新しい名前を与えられて入門式が完了する。これは中国武術の拝師に感覚的に良く似ている(名前が変わる事は無いと思うが)。中国武術の場合、一般の生徒と弟子、そして後継者となる弟子とでは教えの内容が異なるのだが、その選ばれる過程で接する教義や技が変わって行く。小説でシスの教えについて、一口にフォースの暗黒面と言っても理解のレベルは様々であるとプレイガスが語る箇所があるが、最初に連想したのが武術の世界だった。教えと言う意味ではなかなか良い事を言うなと思ったのが次の箇所である。

But holocrons contain knowledge specific and idiosyncratic to each Sith who constructed them. Real knowledge is passed by Master to apprentice in sessions such at this, where nothing is codified or recorded - diluted and thus it cannot be forgotten. There will come  a time when you may wish to consult the  holocrons of past Masters, but until then you would better not be influenced by them. You must discover the dark side in your own way, and perfect your power in your own fashion. All I can do in the meantime is help to keep you from losing your way while we hide in plain sight from the prying eyes of our enemies

(拙訳: しかしホロクロンはそれを作ったシス個人、特有の知識が蓄えられている。本当の知識とは師から弟子にこのようなセッションを通して伝授されるものだ。明文化もされず、記録もされない、よって薄められる事もないので失われる事もない。いずれは過去のマスター達のホロクロンを参照したくなる時も来るだろう、だがそれまでは影響を受けない方が良い。暗黒面を自分の方法で発見し、その自分に合った形でその力を自分のものにしなくてはならない。当面、私に出来る事と言えば、我々が敵から隠れて過ごす間、お前が道を見失わないよう手伝う事ぐらいだ)

ここで述べられている師弟関係の教えの伝授についての記述はしびれた。武芸においても道場の中で体術を練っていれば良いと言うものでは無い。一般の生徒はそれで良いが、弟子ともなれば師と過ごす一時、一時の中でそれとなく伝わる空氣のような教えにも耳を澄まさなくてはならない。これは武芸の世界でもよく言われる事だ。また他の箇所でシディアスがプレイガスに一人前のシスになるのにどのぐらいかかるのかと尋ねて、「最低10年」、と言われる箇所も実に興味深い。技を伝え、心を伝え、様々な知識を伝える。この辺りの時間のかけ方が読んでいて実にリアルに感じられるのがこの本の魅力だ。

この他にもスター・ウォーズの映画や小説から様々なキャラクターが登場し、物語を盛り上げて行く。方々に好きな人間にはたまらないキャラ同士の会話などが入って実に面白い。これを読んだ後にEpisode 1を観たら、映画の表で描かれていない様々なドラマに思いを馳せてしまう事だろう。Episode 1はシリーズの中で最も微妙な出来であるが、この小説を読んだ後なら3Dと久しぶりの大画面を求めて映画館に足を運んでも良いかと思わなくもない。


 取り敢えず小説を再読しながら来月の映画公開を待つとします

2012年2月15日水曜日

遭遇

数週間前の事、他部署を仕事で訪れていた時にそこの人間からNY時代の上司が一時帰国するとの噂を聞いた。NY時代の上司は10年一緒に仕事をした人。昨年、出張で戻って来ていた時は他のNY仲間と一緒に飲んだし、春過ぎに家族を連れてNYに行った時は事務所に寄って挨拶をした。また戻って来るのかと思いつつ、本人に真偽を確認する事をすっかり失念。氣が付けば社内にいるらしいと言う噂を偶然、ランチで一緒になったNY時代の同僚とする始末。

日本中に散らばっている関連部署のトップが集う集会があり、それに合わせた社長の訓示があるとの事で、管理職として集会場に顔を出した。10分前に着くと会場の席の大半は埋まっている。毎度の事ながら他の管理職達の時間厳守精神の高さを感じる。NY時代の上司もこの群衆の中のどこかにいるのかもと思ったが、探す氣も失せて会場の最後列、中央の席に着いた。スーツ姿のアジア人の群衆の後ろ姿が目前に広がる。こんな人混みの中で見つけ出すのは無理だと右の方に目をやると奥に見馴れたNY時代の上司が。こんな近くにいたのかと何人かの前をまたいで、挨拶に行った。こんな後ろの目立たない席にいると言う事実が笑える。


「早く着き過ぎじゃってさ」、とのコメント


 うん、海外に出張すると色々と読めなくて、そんな事もある

(こんな偶然にフォースの導きを感じなくもありません)

2012年2月7日火曜日

新スパイダーマン/予告編

帰りの電車の中で予告編が遂に出た事を知って、帰宅早々PCの前。うん、この予告編は出来が良い。前のスパイダーマンとはまた違ったタッチ。スパイダーマンのウィットが予告編の中でも味わえるのが良い。今年はアメコミのスーパーヒーローものはたくさん出るけれど(AvengersにDark Knight)、やはりこれも外せない。


2012年2月2日木曜日

The Dog Strikes Back

昨日、スーパーボウルとフォールクスワーゲンのCMの話を書いたが、今年のCMは既にアップされていたようだ。郊外の家を舞台に、自然と車を馴染ませるコンセプトは昨年と一緒。最後のスターウォーズへの流れは若干強引な感じがしなくも無いが、あの舞台設定が40年近く経った今も古びれずにCMの舞台として使われている事実が驚きだ。



さて、再生回数はどこまで行く事やら

2012年2月1日水曜日

スーパーボウルとCM

スーパーボウルと言えばアメリカ国民にとってはスポーツ祭典の一つの究極点。アメフトのルールをきちんと把握していない人間にとってはオンエアされるCMが一つの注目点だ。昨年はこちらで紹介したダース・ベイダーとフォールクスワーゲンのCMが注目を集めた。

Twitterでも呟いたが、最近はCMのCMが流行りなのか、この夏のアメコミヒーロー勢揃いものである「The Avengers」の30秒CMのそのまたCMが放送されているようだ。半年後にはこんなCMがあった事すらすっかり忘れているような氣がするのだが、ネットを使って観客の興味を引くマーケティング手法として、今の時代は当然なのだろう。Avengersを楽しみにしている身としてもここで紹介せざるを得ない。





しかしCMのCMと言えば、昨年のフォールクスワーゲンが出しているこちらのクオリティには敵わないだろう。犬の吠え声で流れる帝国軍のマーチ。どのように撮影したのか分らないが見事である。





本家のCMがこれを超えるインパクトを持つのか不安に思うぐらい

来週の今頃は今年のスーパーボウルのCMで一通り盛り上がりそうな予感

(ちなみに肝心のゲームの方はよく分りません、10年アメリカに住んでいましたけど)

2012年1月24日火曜日

父親族の会話

月曜夜は社内の他部署と打ち合わせ、そのまま飲みにと誘われて飲んだのだが、飲み屋を出るとそこは雪国かと見間違うかのような景色だった。幸い、電車は少々の遅れで走っていたのだが、途中の駅まで一緒だった若い男性同僚2名が一様に「どうせ降るなら金曜夜が良いのに」、と言っていたのが印象的だった。二人とも幼い子供がいる。翌日が休みなら子供を連れて雪遊びが出来たかもしれない。そんな意味では私も同感である。

子供が何歳まで可愛いのかは諸説あるようだが一番多く聞くのは3歳。それ以降はどんどん生意氣になって可愛くなくなっていくらしい。後1年半かと思いつつ、既に拒否を覚えて第一次反抗期に入りそうな感のある子供を見ていると、そんな日もそう遠く無いのだろうかと思わなくも無い(それでも私にとっては相変わらず可愛いのだが)。そんな昨夜、印象に残ったもう一つのエピソードが二人の子持ちでその内の一人が剣道をやっている16歳と言う少し年配の体育会系父親の話。

「オレなんかさ、この間、息子と取っ組み合いになった訳よ。オレの方がまだ強いけど、持久力はアイツの方があるね。顔面を殴るとお互いにヤバいと言う空氣があるから、馬乗りになっても身体しか打たないけど、息が上っちゃって"このぐらいにしておいてやるか"って自分から引く訳よ。後で風呂に入ろうとしたら身体の方々が内出血していてさ」、続けて、「あまり厳しく躾けると反発が半端じゃないよ」。


熱いよ


父親と子供の頃に相撲を取った記憶はありますが、中高生で取っ組み合いの記憶は無いし

(子供に武芸を教えるとなると自分の鍛練も怠ってはいけないなと改めて思った次第)

2012年1月18日水曜日

武道の必修化に思う事

私は高校時代に中国武術に出会い、大学で合氣道を始め、色々と稽古を続けて来たので単純な武道歴で言うと20年以上になる。武芸は私がかなり熱くなる分野だし、子供にも教えたいと思う。

とは言うものの、まるで狙ったかのように2日続けて、愛知の柔道教員、6日で黒帯…30年間全員合格や、中高生114人、柔道で死亡していた…名大調査なんてニュースに触れると正直、氣が滅入る。前者についてはきちんと読めば6日と言うのは1年目に2日の講習、2年目に4日の講習を受けて愛知県の中学・高校の体育教員が黒帯をもらうと言う事なので厳密には1年の期間があっての6日だが、それでも何だかなと思う。そこに追い打ちをかけるように後者のニュース。114名の統計は1983~2010年の28年間の合計だが、半数以上が1年生、死亡原因の大半は頭部外傷と読めば言葉を失ってしまう。

こちらの記事によると2010年度に柔道で黒帯を取得した人数は男女合わせて約2万3600人との事。さすがは講道館、大組織である。武芸によって黒帯の難易度は異なるし、身も蓋も無い事を言えば昇級、昇段審査は道場にとって売上に貢献する大きな所なので、別にどの流儀にどれだけの黒帯がいるかは個人的には問わない。そもそも今の時代に黒帯と言うものにどれだけの価値が置かれているのか分からないが、親としては自分の子供が学校の体育の授業で、運動神経だけで受身が取れて黒帯を締める事になったかもしれない人間に武道を教えられるのはごめんこうむりたいと言うだけである。

武道の話になると礼儀や人格形成が話題に挙がる事もある。我が身を振り返れば確かにそれは有効だったと言えなくもない。が、それは結果であって、目的では無い。それを目的に子供に武道を学ばせたいと言う親がいたら個人的には反対だ。最近のニュースを見ていれば、アマ、プロを問わず試合の勝敗が全ての評価基準のベースとなった結果、人間的に問題ありな人達がチヤホヤされ挙句の果てにトラブルを起こしたと言うケースも目に付く。心身を鍛えて身を守れるようになるメリットは計り知れないが、その過程で道を踏み外しては本末転倒甚だしい。

今まではこの種のニュースに触れても基本的に他人事だったのだが、自分に子供が出来ると反応が変わると言うのは一つの発見。どうしたものかなと思う。


取り敢えず学校教育が始まる前に一通り仕込むとか


そもそもどこで育てるかなど、色々と考え込みます

2012年1月16日月曜日

GPSコマーシャル

日本に戻って来てからあまり車を運転する機会は無いのだが、昨年の夏、家族で旅行に行った際にレンタカーを借りてそのGPSと音声ガイドの性能の高さに驚いた記憶がある。そんな背景事情があると言う訳でも無いのだが、Facebookで友人から教えてもらったこの動画に爆笑した。


基本はダース・ヴェーダーがGPSの音声ガイドの録音をしていると言う内容。「水でも持ってきましょうか?」、と言う問いかけに対し、「ジェダイの帰還」、の冒頭シーンのセリフで返すから始まる。「突き当りを右折」、と言う表現が上手く発音が出来ずやり直しになったり、「もう少し静かに呼吸出来ませんか?」、と言われて怒ったり、「もうちょっと明るく言えませんか?」、との注文に無理やり明るい声を出した挙句、「俺がオヤジだと言った時のアイツの顔と言ったら最高だったぜ」、みたいなギャグを飛ばしたり、ギャグの一つ、一つがとにかく最高である。

続いてYoda編。


  「遅刻か?」、と言う質問に杖でマイクを叩いて存在をアピールする所から開始。Yodaと言えば、英語のセリフの順序をあべこべに語るのが一つのトレードマークだが、道の案内を正しく言わず、延々とやり直しが続いたりする。その他にもいきなりダークサイドの話を始めたり、「ダゴバー」、と声が入ったり、この間の取り方がまた素晴らしい。ヴェーダーと言えばダークサイド、ヨーダと言えばライトサイドだが、締めのオチの部分もそこをきちんと生かしている所が見事である。何度、観ても噴き出してしまう。


こんなGPSがあったら即契約してしまいそう、車無いのに


この動画は2010年のもの、今まで知らなかったとはSWファンとして恥じるべきであります

2012年1月12日木曜日

Ip Man - 葉問



ブルース・リーの詠春拳の師として有名なイップ・マン(葉問)。この映画の存在を知ったのは2009年だったろうか。アメリカに旅行で戻った折に中国人の親友の家に泊めてもらい、そこで見せてもらった。親友は武術家なので映画での伝統的な武術の描かれ方について熱く語ってくれたのだが、広東語に中国語の字幕だったので理解するのに苦労したのを覚えている。

そんな作品をDVDのレンタルショップで見つけたのは12月の事。序章と本編と言う形で2008年度の1作目と2010年度2作目が置いてあり、早速、借りた。改めて観ると序章の冒頭、ある武術家が葉問の自宅を訪れ勝負を挑む箇所など、とても中国的で笑える。葉問は妻子と食事をしているのでまず食事を済ませ、相手と共に茶を嗜み、それから手合せを行うのである。中国武術にも縁のある身としてはこの「食事-茶-手合せ(稽古)」の組み合わせはついつい笑みがこぼれてしまう。

物語は一作目が広東省の佛山、二作目が香港だが、物語の基本コンセプトは一緒である。一作目の悪役は日本人、二作目はイギリス人。それぞれが時の権力者で中国文化、特に中国武術に対して侮蔑的な態度を取り、それに対しクライマックスは一騎打ちと言う形で勝負を挑む。もちろん、他の武術家との軋轢(格闘シーン)や、日本/イギリスの支配下における貧しい暮らし、妻子との絆、敵と協力する事で生き延びようとする脇役の抱える葛藤などドラマとしても充分に見応えがある。

主役のドニー・イェン、私の中では「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱」、でジェット・リーの敵役として壮絶な槍の格闘シーンを演じた人として強く印象に残っている。メイキングによると映画に入る前に一年近く詠春拳を学んだと言うだけあって、見事な動きを見せる。一作目ではアクション指導をしていたサモ・ハン・キンポーが二作目では脇役として登場していたり何となく懐かしい。しかしドニー・イェンが1963年生まれ、サモ・ハン・キンポーが1952年生まれと知ると彼等の動きの凄まじさには改めて驚かされるばかりである。


 取り敢えずこの映画を観たら縦拳の連打はお約束


昔、学んでいたJKDでもきちんと受け継がれていましたから

(川井憲次のサントラがまた癖になりそうです)

2012年1月11日水曜日

The Godfather

この映画を初めて観たのがいつの事だか記憶が定かではないのだが多分テレビだろう。私の好きな作品である。3作目は映画館で観た記憶があるが、1作目は1972年、2作目は1974年と40年近くも前の映画にも関わらず今、観直してもまるで古くない。名作の名作たる所以として観る度に新しい発見がある。家族、組織のマネージメント、時代背景、色々な事が身に染みいる作品である。

今回は嫁さんの希望でクリスマスからPart 1、Part 2と観始めた。それぞれ3時間近い作品なので一氣に観るのは子供もいる今となっては難しい。DVDはNY時代に買って持っているので、それを4回に分けて観た。Part 3は持っていないのでこれから借りて観る予定。物語は基本的にヴィート・コルレオーネの人生と彼の三男でファミリーを受け継ぐマイケルの人生との対比である。方や何も持たずにアメリカにやって来てのし上がる父、方や受け継いだ巨大なファミリーを運営しつつ存在の合法化を計る息子。

ヴィートとマイケルのマネージメントを観察していると組織を維持しようとするマイケルの方が大変そうである。要所、要所での判断がじわじわと尾を引く。マイケルの方が頭は良いのだろうが、父ヴィートは英語で言う所のストリートスマートである。Part 2を観ていると駆け引きや交渉のシーンで、その違いがくっきりと伝わってくる。過去に道場の運営に携わったり、会社で中間管理職的な立場にいると組織運営の部分はずっしりと来る。嫁さんの要約は「マイケルは頭で、ヴィートはハートで運営した」、なかなか言い得て妙かなと思う。







取り敢えず私の頭の中はこのGodfatherのテーマが止まりません


がなり声じゃない若いAl Pacinoと言うのも観返す度に新鮮だったり

(久しぶりに3作目も観て一端このサーガを終わらせようと思います)

2012年1月9日月曜日

写真

Facebookで友人が投稿していた写真より。







ゴジラ無しでも十分いけるぞ

こう言うセンス、大好きです。

2012年1月5日木曜日

4分で分かるBSG

ネット上で、これを見つけた。BattleStar Galactica全4シーズンをRPG風に4分強にまとめた内容。






Bravo!

2012年1月4日水曜日

男たちの挽歌/英雄本色/A Better Tomorrow

私にとっては定番中の定番映画なのだが、製作されたのは1986年。日本で公開されたのは1987年だから25年も前の事である。映画館に友人と行ったのは中学生の時だっただろうか。猛烈なインパクトを残した映画だった。言わずと知れたジョン・ウーとチョウ・ユンファの出世作。95分と言う短い時間の中にこれでもかと言うぐらいアクションと生き様が描かれる。制作のツイ・ハークはジェット・リーの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズでも有名な人。




中高生の頃に映画館とダビングしたビデオで何度観たか記憶も曖昧なこの映画、年末にDVDのレンタルショップを覗いたらブルーレイがあったので思わず手に取ってしまった。嫁さんが観た事が無いと言うので子供が寝た後に二人で鑑賞。広東語のセリフは分らないのでセリフは字幕でしか覚えていないのだが、10数年ぶりに観たのに音楽やカット割りを鮮明に覚えていた事に驚いた。

物語は香港マフィアの幹部ホーとマーク、そしてホーの弟で刑事のキットの3者を描いた内容。子供心にマークを演じたチョウ・ユンファがとにかく格好良いと言うのが鮮烈な思い出だが、今回観返してみて、ホーが一番良心的なキャラであった事に氣が付いた。そして炸裂するジョン・ウー節。ロングコートにサングラス、二丁拳銃は今でこそMatrixのキアヌ・リーブスを始めハリウッド映画でも使い古された感があるが、この映画がどれだけインパクトを持ってそれを紹介したか改めて思い知った。改めて観るとシナリオ的に方々にツッコミを入れたくなるのだが、有無を言わさずに最後まで突き進む物語の力はあっぱれである。正月休みの最終日に観て、昔、熱くなった氣持ちが蘇った氣分。


 と熱く映画後に語り嫁さんに煙たがれました


クリスマスから年末年始に他に観た映画は「The Godfather」に「Yip Man 2」でした

(そんな訳で今年も宜しくお願い致します)