2013年10月25日金曜日

グローバルマッチョ論と教育論

少し前にTwitterで内田樹の租税回避する人、海外に出てゆく人たちの「これから」についてについて呟いた。自分自身が帰国子女で小学校時代をヨーロッパで過ごし、社会人になってから10年、アメリカで仕事をしてきた経験に基づいて言うと、動機付けは異なるが、私もまた子供を海外で学ばせたいと考える親になっている。ただし、それは最近ネットで話題になっているグローバルマッチョ論とも少し違うのでそれについて書きたい。

端的に言うと、子供に外の世界に接して欲しいのは、日本の外には言語も習慣も宗教も、そして考え方も全く異なる人達がいると言う事を肌身を持って実感して欲しいから。その上で、「相手と自分は異なる価値観だが、それでも共存するにはどうしたら良いか?」、を自然に考えられるようになって欲しいからだ。日本は世界でも類を見ないハイコンテキストの文化、「あうんの呼吸」、を良しとする。これが素晴らしいのは間違い無いが、一歩間違えれば異質なものを集団で排除するする事を無意識に行うようになってしまう。自分の常識は相手の常識だと考えるような思考回路は個人的には非常に違和感がある。

ちょうどアメリカ時代からの合氣道仲間であるアメリカ人の友人夫妻が来日しており、家族同士で会う機会があった。彼等は4人の子持ちで一番下の子供が大学に入ったばかり。初めて出会った頃はその子供が今の自分の長男ぐらいだったと言う事を思うと色々と感慨深い。

様々な話題で盛り上がったのだが、その内の一つが子育て。親が子供にしてあげられる事は限られており、そしてその時間も短いと言う話だった。ティーンエージャーになる前までが大事と。彼等が重要視していたのは順不同で1.言語/外の世界との接点、2.Financial Literacy(お金に関する知識)、3.子供が付き合う友人仲間、そして4.道徳観念だった。なるほどである。これを実行するには相当、自分がしっかりしていなくてはならない。真面目にやろうとすれば子育てはなかなか大変だ。2.について、友人夫妻の所では子供が16歳になったら皆、自分でバイトして稼ぐ事をルールとしていたと聞いてへぇーと思った。そう言えば自分がバイトをするようになったのは高校生ぐらいからだったかと思い出す。

海外生活経験があり、英語も話して外資で仕事をしていると言ったら、諸条件的には私もグローバルマッチョに該当するのかもしれない。が、それは結果に過ぎないし、そもそも私は一部の同僚達が持っているような猛烈な肉食と言う空気感は持ち合わせていない。たまたまそのように育ってきて、今度は自分が育てる側にまわると、やはり子供達には処世術の一環として言語やその他、色々と基本的なサバイバルスキルは身に付けて欲しいと考える訳だ。これ、自分の育ちが違っていたら考え方も変わっていたのだろうか。

色々と書いてみたが、答えが出ないと言う事だけがよく分かった。





2013年10月15日火曜日

そして父になる

親子ものを描いた映画が涙腺を刺激するようになったのは30歳を過ぎた辺りではないかと思う。それも父と息子ものに弱い。オーソドックスなものだと「Field of Dreams」とか、Pixarの「Finding Nemo」もなかなかである。


そして父になる」、「6年間育てた息子は、他人の子でした」、このキャッチフレーズに全てが集約されている。福山雅治演じる大企業エリートの野々宮一家とリリー・フランキー演じる町の電気屋さんの斎木一家、それぞれの家の長男が取り違えられていた事から生じるドラマ。それぞれの家の事情が細かく描かれているのだが基本は福山雅治目線。彼なりに子供思いの良い父親で旦那なのだが、嫌なヤツでもある。そんな彼が物語が進む過程で何故そのような考え方でいるのかも分かる仕掛けとなっている。それぞれの母親の事情や子供の目線、リリー・フランキーの立場もあるだろうに何故に彼目線と思いながら劇中、「そして父になる」と言うタイトルに思い当たった。他の3人と比べると彼だけが(父)親であるけど、まだ親でなかったのだなと。

私自身、2人の息子がいる立場として観ていたので、終始、子供達の顔が思い浮かんでいた。今だからこそ、作中の小さな設定(それぞれの家の事情、ママ友感覚、父親と母親の感性の違い)などが非常に強く伝わってきた。それぞれの親キャラに対しても身近にいるなーと言う親近感をもって観ていた感じ。

この夏は色々と観たい映画が目白押しで「Pacific Rim」、「Star Trek Into Darkness」、「Man of Steel」、「Elysium」、など一時期、毎週のように映画館に行ったが、最終的にこうして感想を残したいと思ったのはこの映画だった。日本映画も悪くない。

レイトショー鑑賞後、帰宅して最初にしたのは子供の寝顔を確認する事。自分が子煩悩になるなんて上の子を初めて抱っこするまで思いもしなかったが、蓋を開けてみればそんなものである。不思議。

子供の歳が違えばまた違った感想を持ったのかもしれないが、この映画は今のタイミングで観る事が出来て良かった。

2013年9月25日水曜日

半沢直樹に見る懐かしさ

連休中に驚異的視聴率を誇ると言う「半沢直樹」を観る機会があった。と言っても最終回だけ。取り敢えずの感想としては。


  1. ドラマを最初から観ようとは思わないが、話は面白い。原作の続き「ロスジェネの逆襲」は気になる
  2. 社内の人間ドラマ模様が前職の日系企業をちょっとだけ思い出させた
  3. 自分は銀行員は無理
  4. 剣道シーン、武道的には色々と疑問あり(ドラマ的には良いのだろうけど)

「出向」と言う制度、「常務」、「次長」、と言った肩書きなどが懐かしかった。私が10年、NYで仕事をしたのは出向扱いだったが、希望を出して海外で働いていたのでドラマで描かれているような「出向 = サラリーマンとして敗北宣言」のような状態では無かった。肩書きは部署によって気にする所もあれば、気にしない場所もあったな、と言う感じ。今の職場に移ってきた時、メールでもお互いの呼びかけが役職に関係無く「〜さん」で統一されていたのは新鮮だった。今ではすっかり馴れてしまい、以前の役職付きでの呼びかけが遠い過去のように感じられる次第。

先日、前職で親しかった人達と数名で食事をしたのだが、色々と驚きの人事があったそうだ。聞いていて唖然としたが、残っていたらどれかに関わる事はあったのだろうかと思わなくも無い。外資の今は異動を気に病むより、明日以降も自分の仕事(席)があるのかの方が気になる。それなりに人の出入りは多いので、皆に頼りにされていた人がすっと次のキャリアパスで惜しまれて転職するケースもあれば、試用期間で正社員になれずに終わってしまう人もいる。最初の頃は結構驚いていたが、だんだん感覚が麻痺してきた。今の所、自分は一年は勤めていられそうだが、外資の環境で仕事を続けるには「仕事が出来る」と言う当たり前の事以上に色々な要素が絡むのだなと言う事は今も現在進行形で学習中だ。長く勤めている人は10年以上いるが、短い人はそれこそ数ヶ月の使用期間で終わってしまうし。

半沢直樹を観て思い出したのは「こう言う世界は無理」と言う気持ちだった。でもこれは「出向」があるとは言え、やはり終身雇用が前提の社会での話だろう。これからの日本の会社はその辺りも含めてどうなるのだろう。ドラマを観て、前職を思い出しながらそんな気持ちになった連休だった。

取り敢えず自分としては40にして迷わず。

2013年7月28日日曜日

日系企業と外資の比較

15年勤めた日系企業から外資に転職して約8ヶ月。自分なりに両者の違いについてここに述べてみたい。もちろんこれは一般論では無く私自身のケース。前職と現職は業界も異なるので私の備忘録程度かもしれない。

1. 転職について後悔の有無
後悔は皆無。前職の人達とはたまに会ったりする事もあるが、戻りたいと言う気持ちになった事は全く無い。

2. 仕事の大変さ
現職の外資の方が前職と比べてずっとタフ。仕事をしている時間も長い気がする。気がすると言うのは会社に拘束される時間はずっと少ないが、たとえば早めに帰宅して家族と夕食を楽しみ、家族が寝た後にまた仕事を開始すると言うのは日常茶飯事。酔った帰り道、業務メールを読みながら酔いが醒めるなんて事もある。この文章を書いているのは日曜夜だが、業務メールがちょこちょこと入って来ている。

3.人/勤労意識
労働環境は現職の方がずっと気持ち良く仕事が出来る。前職では仕事に不満を持っていない人を見つけるのは至難の業だった。飲み会と言えば最終的には愚痴のオンパレード(だからあまり参加しなかった)。現職の場合、仕事に対する不満は適度にあるのだろうが、それが飲み会で噴出する事は無い。アメリカ本社からの無茶ぶりに対しても「いかにそれをクリアするか」と言う所にフォーカスが置かれる。また全員が中途採用なので、キャリアが幅広く、濃いキャラの持ち主が多い。
これは終身雇用制と中途採用制の違いが大きく関わっていると思われる。終身雇用制の場合、何年入社か、後はおおむね自分の年齢と役職で30半ばにもなれば自分が社内でどの辺りまで出世するか見えて来る。中途採用制の外資の場合、上司が年下、部下が年上と言うのは普通にあり得る話。そもそも歳なんて聞かなければ分からない。嫌なら辞めれば良いと言う気持ちと共に、自分のポジションが全く保証されていないと言う現実がある。10年以上勤めている人もいれば試用期間の内にいなくなってしまう人もいる。
終身雇用が保障されている環境の場合「使えない人材」の処理に困る。それは出世レースを外れた人かもしれないし、嘱託で勝手気ままに仕事をしている人かもしれない。いずれにせよチームの足を引っ張りかねない人材と遭遇する可能性は高い。現職では毎年、下位約10%はレイオフらしい。使えない人は自然といなくなるのである。後はそれが自分で無い事を祈るのみ。成果を出す事は当然として周りと上手く仕事をして行くのも必須スキルである。

4.会社の雰囲気
前職は業界的に毎年前年比割れの成長率、現職は業界的に二桁成長が前提とされる。社内の空気は全く違う。現職の雰囲気は、個々人は与えられた目標数値に対し呆然としながらも、基本は常に前向き。ただしドロップアウトあり。

5.スピード
現職のスピード感は圧倒的。面接の時から言われていたが、物事の変化のスピードが凄まじい。その是非はともかく、取引先と話していると、先方の時間が止まっているのでは?と思う事がある。2週間ぐらい前の出来事だと思ったら数日前だったとか。朝の出来事が午後になると昨日の出来事のように感じられる事はチーム内でも定期的にある。

6.飴と鞭
現職の外資は徹底して飴と鞭。数字その他、達成した時の会社の褒め方は凄い。パーティーなども本格的だし、「楽しむ時は徹底して楽しめ」、と言う文化。鞭はもちろんレイオフ。能力が足りずにレイオフされる事もあれば、プロジェクトの廃止に伴い、異動出来ない関係者が去る事もある。何となく来るのが分かっている時もあれば、青天の霹靂でクビになる事もある。そこは諦観して仕事をするしか無い。
この現職の空気と比べると前職は緩いぬるま湯空気。どっちが良いかは向き不向きがあるだろう。心身共に打たれ強い内は外資が面白いだろう。でも50を過ぎたら、60を過ぎたらそんな環境で仕事をしていられるかどうか。こう書くと以前10年住んでいたNYにも相通ずるものがある。若い内はとにかく面白い。老後を過ごすには日本が良いと言って帰国する人も結構いた。

何となく思うままに書いてみたが、突き詰めると現職は「タフだけど楽しい」。何故楽しく感じられるのかはまだ上手く言葉に出来ないが、いずれその辺りもまとめる事が出来たらと思う。






2013年6月5日水曜日

趣味と仕事と家族と

今朝方の通勤時にGunosyで届いた記事で「家庭、仕事、趣味の両立の難しさを痛感。仕事・趣味男の弱点」、と言うものがあり読まずにはいられず呟いた。家庭、仕事、趣味を全て成立されるのは不可能では無いかと言うのが私の実感。

私の趣味と言えば武術と映画鑑賞。読書も加えたい所だが最近は村上春樹の新作を読んだぐらいでほとんど本を読む機会が無いので微妙な所。武術については以前も述べたが、NY時代と今では全くと言う程状況が違う。以前は週6日は道場にいるのが普通だったのが今はほぼ皆無。早朝に家族が起きてくる前に身体を動かす程度。サイトも以前は毎日のように更新していたが最近は月一ぐらいの頻度か。映画鑑賞は何とか映画館に時々通い、週に一回は夫婦でDVDを観るようにしている。

結婚したぐらいでは趣味の時間が消える事は無かった。が、子供が出来たら無理がある。我が家は長男が3歳、次男が6ヶ月。平日、嫁さんに任せっきりである以上、週末に気軽に稽古に行く訳にもいかない。行くに当たっては事前に要相談だ。映画館は妻子が寝た後に行く事が出来ない事も無い。睡眠時間をどんどん削っていけば良いのだが、削り過ぎると仕事に弊害が出る。バランス維持が至上命題。

仲間と稽古が出来ない事について罪悪感が無いと言えば嘘になる。とは言え、家族より優先度が高い事は無い。長男に毎朝、「お父さん、今日は会社行かない?」、と聞かれて週に5回は、「今日は仕事なんだよ」、と言って家を出ている身としては週末ぐらいは子供と過ごして喜ばせたいのである。稽古に行けばそれはそれで非常に楽しいが、子供と過ごせる時間がその分減ると言う事実は胸が痛い。ジレンマ。これまで自分の周りで当たり前のように起きていた事であるが、自分にも起きるとはちょっと不思議な感じである。

趣味の時間は今でももちろん大切だが、今は自分の中の優先順位として子供と過ごす時間の方が少し高めなのだろう。子供が可愛らしく「お父さん」と慕ってくれる期間だってそう長くは無いはず。外の世界に出て憎まれ口を叩きながら自分の世界を築き始めるまでは子供の事を優先的に考えても良いか、と。

そんな長男も明日は初登園日。明日は仕事を終えたら何とか子供が寝る前に帰って話を聞いてあげたい。

映画館にも行きたいのだけど。


2013年5月2日木曜日

Man of Steelサントラ

日頃、定期的にチェックしている映画サイトでHans ZimmerのMan of Steelのサントラの一部が試聴出来ると言う記事があった。正確には6月のアメリカ公開(日本は8月)に先駆けてアマゾンでサントラの一部が試聴出来、それをまとめた動画が既にあると言う話。


スーパーマンと言えばJohn Williamsのスコアが何よりも有名だが、今回は映画の雰囲気に合わせてかダークナイトシリーズのサントラも担当したHans Zimmer。各曲30秒なので聞いていると味わう前に終わってしまう感があるが、予告編で流れていた印象的な曲も3曲目の「Sent Here For A Reason」と言う名で収録されているようで楽しみである。サントラ好きとしては映画が面白ければ高確率で購入する予定。問題は映画がつまらなくてサントラが良い場合などだろう。18曲あるらしい。


  1. Look To The Stars
  2. Oil Rig
  3. Sent Here For A Reason
  4. DNA
  5. Goodbye My Son
  6. If You Love These People
  7. Krypton’s Last
  8. Terraforming
  9. Tornado
  10. You Die Or I Do
  11. Launch
  12. Ignition
  13. I Will Find Him
  14. This Is Clark Kent
  15. I Have So Many Questions
  16. Flight
  17. What Are You Going To Do When You Are Not Saving The World?
  18. Man of Steel (Hans’ Original Sketchbook)
これの他に別曲が入ったデラックス版もあるらしい。取り敢えず素直に楽しみなのだが、サントラにデラックス版と言うのは商魂たくまし過ぎないだろうか。Star Warsのサントラを複数枚持っている身としては思ってしまうのである。とは言え2015年のStar Wars Episode 7については映画と合わせてJohn Williamsの新たなスコアを今から心待ちしている

2013年4月30日火曜日

職場と英語

Twitterで話題になっていた「大研究 なぜ日本の企業はこんな採用をしているのか ユニクロ・楽天・グーグルほか 急増中!「英語ができて、仕事ができない」若手社員たち」を読んだ。要約すると2点。1.英語が出来ると期待して採用したら英語は出来たが日本語や日本の風習がアウトで使えなかった、2.TOEICで高得点を取っているからと海外取引先の場に連れて行ったら英語が出来なかった。結論、こんな新人を採用している企業の姿勢はどうなの?と言った内容。

ネットでも様々な視点からツッコミが入っていたので、特に付け加える事も無いのだが、私の感想としては「採用する側の企業が人材を活用しきれていないのでは?」と思う。中途採用ならいざ知らず新人採用の話。ウーロンハイを作る云々は学生時代に体育会系にいたら出来るかもしれない?と言う話だし、「職人さんに無理を言い、休日勤務やサービス残業をお願いして、どうにかクリアしている。そんな現場で必要なのは英語ではなく、人情や謙虚さです」、と言う箇所は話の論点が根本的に違うと言わざるを得ない。この記事は一体、誰に何を伝えたいのだろう?読んでしまったけど。

英語に限らず語学はツールだから出来ないよりは出来た方が良い。ただ必要とする職種もあれば不要な職種もある。私は前職でNY勤務、部下はアメリカ人、取引先も現地とあって語学は必須だった。帰国後は日本の本社の風習を学習しつつ、アメリカから取引先が来日した際は社長他、お偉いさんの通訳として色々と学習する機会があった。今のポジションは英語必須。アメリカを始めとする世界各地の関係者と電話会議やメールのやり取りをするし、先週は本国から来日していた役員クラスへの対応をしていた。しかし対日本国内向けの仕事では英語は一切必要無い。社内には欧米人を始め、アジア人もいるし、必要であれば英語で相手が日本語が流ちょうであれば日本語で話しをする。意思疎通を図る為の語学があり、仕事をすればそれで良い。語学と言う手段を目的と混同するから方々で誤解が生じるのだろう。

「ビジネスで英語が出来る」、この判断基準は難しい。前職と比べると今の職場はほとんど全員、日系企業の基準で言えば英語が出来ると言える。でも使えるかは別。聴く、話す、書く、それぞれにおいてどのスピードで出来るのか。大抵の人は聴く事は出来る(会話の流れを何となく理解する)、でもそれに対して、同じようなビートで書いて、あるいは言葉で返せるかは難しい。しかし、それで良いと思う。ポジションによって評価基準は異なるし、英語を磨きたい人は会社が提供している様々な場で英語を勉強している。

私の場合、先週の役員クラスの来日の際は最終日のミーティングで日本側のビジネスプランをプレゼンしたのだが、役員からの質問にも当然対応。役員についてきた関係者からは途中でネチネチと絡まれたがそれも対応した。その関係者は日本語が流ちょうなのだがその時は英語だった。上司に当たる役員へのアピールがポイントだったからだろう。議論を挑まれた時にきちんと自分の立場と正当性を主張するのは英語でも日本語でも変わらない。言い方を工夫するのも当然の嗜みに過ぎない。

職場と英語と言うトピックだと言いたい事が多方面に渡るので話しをまとめるのが難しいが、最初のリンク先に関係付けるなら、TOEICで900点代を取れるなら取れば良い、でも実践の場はそこと関係が無い。正論を吐く時は場の空気を良く読んでからの2点になる。これも誰に向かって言っているのか曖昧だけど。

日本企業(日本文化)における空気の読み加減については語学以上に思う事があるので機会があればまたいずれ。






2013年4月18日木曜日

Summer Movie

映画と予告編を楽しむ身にとって昨日は良い日だった。何と「Star Trek Into Darkness」の最終予告編と「Man of Steel」の予告編が公開されたのである。




J.J.AbramsによってリブートされたStar Trekは嫁さんも好きな映画で、しかも今回は悪役にBBC「Sherlock」のベネディクト・カンバーバッチ。「Sherlock」はDVDで観て夫婦で大ファンになっているので今回のStar Trekは色々な意味で楽しみ。アメリカで5月公開なのに日本では8月と言うのはどうにかならないものか。「Iron Man 3」はアメリカよりも一週間早く来週公開されると言うのに。子供が2人いる身としては夫婦でそれぞれ観に行くかと今から話している。予告編は嫁さんももちろん大喜び。

「Man of Steel」、はNY時代の親友が「18回連続して観てしまった!」と件名に書いて連絡してきたぐらい。この予告編に使われている音楽は何のスコアだろう。非常に気になる。息子がいる身としては冒頭のラッセル・クロウが赤ん坊に語りかけるシーンや、ケビン・コスナーが「You are my son」と言う辺りで涙腺が刺激される勢い。ちょっと今回のこれは期待持てるのではと、私もついつい連続再生。

ちなみに「Man of Steel」の予告編については嫁さんの賛同は得られず、「全く分からない」、とのコメントが。父子感覚は「Field of Dreams」、みたいな感じだろうかと思ったのだった。


2013年3月25日月曜日

生活習慣

 外資で仕事を開始して約4ヶ月が経とうとしている。今の所は順調。色々と書きたい事はあるのだが、なかなかまとまらないので今日は大体同じタイミングで始めた習慣について書きたい。

朝早く起きて身体を動かす事。

私の場合、身体を動かすと言うのはジョギングや筋トレでは無く武芸の稽古を指す。元々、高校時代に中国武術、大学時代に合氣道と始め、社会人になって一瞬途絶えそうになったものの、20代半ばでNYに赴任してからは合氣道の町道場に所属していた。一時期はJKDもやり、最終的には合氣道道場の運営までやっていた。サラリーマンとは別に週6日は道場にいるのが普通の生活だった。なかなか駐在でこんな人間はいないと思う。

 変化は30代半ばで10年のNY生活を終えて帰国してから始まった。日本での会社勤めと家庭。NY時代と比べると仕事の自由は利かなくなり拘束時間が長くなった。長男が生まれてからは週末、家族を置いて稽古に出かけるのも少々難しくなった。こうして日常的な稽古から徐々に遠ざかった。

もちろん今でも稽古はしているのだが、夜型の稽古を主としていたのを、転職に合わせて朝型に変えた。主なメリット。

  • 妻子が起きる前なので邪魔されずに集中して行える
  • 酒や食事の影響に左右される事が無い
  • 稽古の過程で頭が冴え渡りその日の予定が明確になる

 思い付くデメリット。

  • 朝が早い、冬場は太陽が昇っていない

 正直デメリットはほとんど無い。起床時間に合わせて就寝時間も前倒しにすれば良い。この習慣を変えるのがコミットメントと言えばコミットメントだったが、4ヶ月経って新習慣として身に付きつつある氣がする。稽古時間は30分強、時間があればもう少し長めに行う。メニューは型中心だが、基本動作や鍛錬を行う事もある。

稽古を終えて朝食を作り始めていると妻子が起きて来る。家族と朝食を共にし、仕事に出かける。今の所、心身共に調子は良い。もっと以前からやっていれば良かったと思うぐらいだ。敢えてデメリットを付け加えるとしたら夜遅いのが辛くなったと言うぐらいか。週末、子供達を寝かし付けながら一緒に落ちて朝を迎えたりするとちょっと茫然とする。


そんな訳で今夜も遅くなってきたので寝るとしよう。



2013年3月16日土曜日

最近の週末






ネットで拾って来た画像ですが、今日もこんな感じでした

2013年1月27日日曜日

転職の話 - 其の三、給与交渉編

前回のLinkedInの話前々回のヘッドハンターの話から一ヶ月半以上経ってしまったが今回はエージェントを使う場合と直接企業とやり取りをする場合の違いについて。

結論から言うと私が得たオファーについては両方共、直接相手企業の担当者と交渉した。一社はエージェント経由で紹介があったのだが、先方担当者がアメリカにおり、電話インタビューや先方の来日に合わせてホテルで会っていたりする過程で直接やり取りをする事も多くなった。現在働いているもう一社については会社のリクルーターとのインタビューから始まったので最初から直球勝負。

何を交渉するかと言えば雇用条件、平たく言えば給与である。日系企業の終身雇用も既に存続が危うくなっている感があるが、外資は雇用、ポジションの保障は無い。一般論としてはこれが給与所得に反映されているとも言える。どっちが良いのかについては正解は無い。

転職サイトに登録して求人情報を見れば分かるが多くのポジションについては大よその年収が記載されている。多少、幅を持っているのでどこに該当するかは候補者次第。自分の現収入が何であれ先方が求めている条件に合致すれば大幅な条件改善も夢ではない。とは言え、エージェントを通して話をすると基本的に現年収の10~20%アップぐらいが現実的な所だろうと言うコメントが多い。日本人のエージェントの場合、それが顕著だったと言うのが私の印象。場合によっては年収が低くなる転職について打診された事も。転職が目的ではなく、キャリアアップが目的だった自分としては本末転倒である。

希望年収はエージェント経由であれ、直接であれ必ず聞かれる質問なので答は用意しておいた方が良い。どの程度の数字が現実的なのかは駆け引き。求人情報で最初から記載があればその幅で交渉だし、無ければ率直に伝えるしかない。当然、その時点での年収も問われるので、そこに差があるなら、そこを説明するロジックも必要だ。

私の場合、NYでの勤務から帰任した際に大幅に収入が落ち、最低限その頃の収入に戻すと言うのが一つの目的だった。帰任の際、外国人の友人の誰一人としてこの日系企業のロジックを理解する人はいなかった事を思い出す。通常問われるのは直近の年収なのでそこの差について説明をする必要はあった。

オファーをくれた両社はインタビューの過程で希望年収を問われ、正直に希望を伝えた所、両社共あっさりと通った。実際の数字は希望年収がベースサラリー、そこにパフォーマンスに応じたボーナスが加算される仕組である。インタビューの過程では相互理解を深める事が最も重要だがビジネスなので報酬の話は不可避。エージェント経由なら直接問われる事は無いかもしれないが、どこかで必ず出るので準備はしておく事。エージェント経由の一社は最終面談前後にメールで希望年収を問われ回答、もう一社は最初の電話インタビューと会社でのインタビューの際に問われた。私の感覚では直接のやり取りが楽。英語だったのでその種の交渉がやり易かったと言うのもあるかもしれない。

転職を決意する理由は人によって様々だろう。実際にオファーが出ると、それはそれで悩む。転職に関して周りの声の中には「40にもなってよく転職なんてするな」なんて声もあったが個人的には路が出来たら歩むのみ。新しい業界と環境に身を投じて約2ヶ月。今の所、後悔ゼロである。ポジションの保障は無いけれど、半年後、一年後どれだけ自分が進化出来るかと思うと仕事をしていて楽しくて仕方が無い。願わくは将来このエントリーを読み返した時、頷いていたいものである。